2006年02月03日00時38分掲載
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少額過ぎて払いたくても払えない請求書
【アデレード2日=木村哲郎】オーストラリアの大手通信会社テルストラが同社のブロードバンド・システム「ビッグ・ポンド」の契約を昨年末に交わした男性に使用料として、同国で流通している最小額硬貨5セントをさらに下回る額面「1セント」の請求書を送っていたことが分かった。「1セント」硬貨は既に廃止され、支払い不能の請求額に男性は「情けない」とあきれ顔だ。
サウスオーストラリア州の日刊紙アドバタイザイーよると、請求書を受け取ったのはアデレード・ヒルズに住む55歳の退役軍人の男性で、請求書には昨年12月31日までの使用量として「1セント」を2月16日までに支払うようにと明記されていた。
オーストラリアでは小額硬貨の1セントと2セントが15年前の1991年に廃止されており、現在流通している最小硬貨は「5セント」。とはいえ、商店などでは1セント単位で価格が決められており、現金での支払いでは「二捨三入」もしくは「七捨八入」される。
今回の場合、1セントを「二捨三入」すると0セントになり、この男性は結果的に支払う必要のない請求を受けたことにもなる。
また、オーストラリアでは定型郵便の切手代は50セントであるため、印刷費などを考えずに単純に通信費だけで計算しても、テルストラは49セント損失することになる。
テルストラは1日、「今後はこのようなあまりにも少額な請求はしないようにする」と発表したが、男性は「なぜテルストラの株価が下がっているのかが分かった」と皮肉っていた。
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