2006年02月07日22時04分掲載
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三菱自動車がマレーシアのプロトンと業務提携
【クアラルンプール7日=和田等】三菱自動車が先ごろ、マレーシアの国民車メーカー、プロトン・ホールディングスと、マレーシア国内市場向けの新車開発などを決めた覚書に調印、プロトンとの提携をあらためて結び直した。三菱自動車の益子修社長とプロトンのサイド・ザイナル・アビディン社長が、セランゴール州シャーアラムで調印した。
地元各紙によれば、覚書に基づいて2社は、(1)プロトンの新車の開発、(2)相互部品供給、(3)三菱自動車による生産、エンジニアリング、品質管理に関するプロトンおよびプロトンへの納品業者への技術面での支援、(4)プロトンの生産設備の最大限の活用、などで協力を模索する。この提携に基づいて開発する新車第1号は、年内に販売する予定だ。
三菱自動車とプロトンはもともと提携関係にあった。益子社長が2002年から03年にかけてプロトンの取締役を務めたこともある。 三菱自動車は、高関税などの優遇策で国内自動車産業の育成をめざすマレーシア政府の「国民車」構想を実現するために生まれたプロトンに、設立当初から出資し、エンジンなどの主要部品の供給や技術供与をしてきた。
しかし、財政建て直しを図っていた三菱自動車は2004年3月、プロトンとの提携を解消。保有していた株の約7.9%を売却した。
プロトンはその後、ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)との提携をめざし交渉を続けてきたが、資本参加を求めるVWの要求にプロトンが難色を示したため、交渉は頓挫。このためプロトンは三菱自動車と復縁することになった。
プロトンは、1990年代にはマレーシア国内乗用車市場の3分の2のシェアを占めていたが、日本車や韓国車の攻勢に押され、昨年のシェアは41%にまで低下するなど、苦戦を強いられている。
その上、世界的な貿易自由化の流れを受け、マレーシア国内の自動車産業を高関税で保護することは難しくなっている。マレーシアは昨年末に日本と自由貿易協定を結び、日本からの自動車輸入にかかる関税を段階的に引き下げていくことになった。
一方の三菱自動車は、ダイハツ工業とマレーシア第2の国民車メーカー、プロドゥアとの技術提携により開発された新車マイビの販売好調を、忸怩たる思いでながめていたことは想像に難くない。
以前に両社が提携していた際には、三菱自動車が優位な立場にあり、「三菱自動車による技術移転のペースが遅い」との不満がマレーシア側から出ていたが、今回の提携では「対等な関係の構築をめざす」(三菱自動車幹部)と強調した。
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