2006年02月14日22時22分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200602142222122
「自衛隊撤退してもイラク駐留継続」と豪州首相が表明
【アデレード14日=木村哲郎】オーストラリアのハワード首相は12日、イラクで復興支援活動を続ける日本の自衛隊の警備をしているオーストラリア軍駐留部隊(460人)について、例え自衛隊がイラクから撤退しても、駐留部隊の活動内容を治安維持などに変えてイラクに残留させる意向を明らかにした。
ハワード首相は、イラクの復興が終わっていないのにオーストラリア軍が撤退すれば、「非オーストラリア人的な行為だ」と発言。自身の考えが必ずしも国民に支持されないことを認めながらも、新たな撤退期限を設ける考えがないことも明快にした。
日本の自衛隊の派遣期間については、昨年12月の臨時閣議で、今年12月まで1年間の延長がすでに決定さている。今回のハワード首相の発言は当初予定されていた今年5月のオーストラリア軍のイラク撤退回避だけでなく、アメリカ、イギリス、日本との緊密な関係を維持するための外交政策の一環と思われる。
国際情勢を専門に扱うシドニーのローウィー研究所は、アジアにありながら西洋的な国家として孤立しているオーストラリアにとって、日本との連携は自国の安全強化につながると指摘したうえで、憲法第9条の規定などから日本がアジア・太平洋で防衛協定を結べる国はオーストラリアしかないとしている。
昨年12月にはトーマス・シーファー駐日アメリカ大使(前在豪大使)が、「日豪の両国がそれぞれアメリカと結んでいるような防衛関係を、お互いに結べない理由はないのではなか」と発言したことからも、今回のオーストラリア軍の駐留延長は、イラクの復興支援だけでなく、日米豪3カ国にとって新たな関係強化の側面もありそうだ。
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。