2006年03月15日20時25分掲載
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根津教諭の「君が代」拒否
都教委もマスコミも瀕死の状態 「君が代」不起立で停職1ヶ月の河原井さんへの対応
東京都教育委員会は13日、1月25日の30周年記念行事で「君が代斉唱」に起立しなかった河原井純子さん(調布養護)に対して停職1ヶ月の処分を行なった。河原井さんと、もう一人の「君が代」不起立教師・根津公子さん(立川二中)を支援する「『君が代』解雇をさせない会」は同日、支援者らと都教委に不当処分への抗議を行なうとともに、マスコミへの説明に追われた。同会の報告を紹介する。(ベリタ通信)
3月13日(月)10:00 ピースリボン裁判と重なる時間帯に、河原井さんは処分発令の呼び出しを受けた。支援者は9時前から続々と水道橋の総合技術センター前に集まった。今までのように警備のための職員が外には一人も出てこず、しかし、数人がドア越しに中から外を見張る中、支援の私たちはマイクで抗議のスピーチ、シュプレヒコールを繰り返した。
処分書を受け取らされた河原井さんが、40数人の支援者に静かに語った。「私は今、さわやかで元気です。イヤなことはイヤと言っても良いのよ、と子どもたちに言ってきたことば通りに行動し続ける。」
3月13日(月)15:00〜 「解雇させない会」の4回目の署名提出。1,335筆(総計3,868筆)を持って11名が27階の人事部を訪問した。前回は、行ったとたんに警備に前後を囲まれたが、今回は,人事部の3名がさっとガードにつく程度。情報課の馬場さんに取り次ぐ。
「4回目の署名を提出しに来た。前回の回答がもらえないうちに9日の都教委定例会があり、今日の処分が出された。9日の都教委前に、この署名の重みを5名の教育委員に確実に伝えてほしい、と要請したことを、どう扱ったのか。」「20日以内に回答すると前回は伝えた。」「9日の都教委定例会に資料としてきちんと載せてほしい、という要請をあなたはどのように伝えたのか。」
30分ほどの押し問答の末、「あなたたちの要望は、約束したとおり、3箇所に伝えた。」「最初にそう答えてもらえたら良かったですね。そしてその先が知りたい。言いっぱなしだったのですか。」「その後、どうなったのか、今は回答できない。」「だったら、聞いてきてください。でなければ、私たちが直接聞きに行きますか。どうしたらいいのですか。9日の都教委定例会に確実に伝わっていないのなら、今日、出された処分は無効ですね。少なくとも延期ですね。」
さんざんのやりとりの挙げ句、「できるだけ早く、どのように対処したかを回答します。」「もう一つ別件があります。今日出された処分に対する『抗議文』を読み上げますから受け取ってください。」Uさんが読み上げ、2件を受け取ったことを確認して、16時15分に終わった。
3月13日(月)16:30 記者会見の申込。当番幹事はMXテレビの中村さん。「急に来られても対処できない。」「じゃ、こちらで回ります。」「それは困る。」
40分も不毛なやりとりの挙げ句、「会見の設定に1時間は必要。」「じゃ、6時半からでも設定してください。」中村さんは、一旦退席したが、戻ってきて「やはりムリです。ところで外で待っている人たちは一体何ですか。異様だ。」「何か失礼なことをしましたか。記者会見の場に出たいという思いで来たのです。」いくつかの社が話を聞く、と分かったので、中村さんに「もう結構です。」と別れ、朝日、毎日、東京、共同を回った。
都教委もマスコミも、こんなにもパイプが詰まってしまった。こんな瀕死の状態が長続きする筈がない。
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