2006年03月27日21時49分掲載
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離婚めぐり、ニコル・キッドマンも盗聴か ハリウッドの著名弁護士に疑惑
ハリウッド俳優のトム・クルーズ氏や映画監督スチーブン・スピルバーグ氏を顧客に持つ離婚専門の著名弁護士が、盗聴などの不正行為に関与した疑いが持たれている。著名人の離婚では、想像もつかない金額が、慰謝料や子どもの養育費として争われるだけに、不正な手段を使っても訴訟に勝つことが弁護士にとっては勲章になる。今のところ、この弁護士は、米連邦捜査局(FBI)の“疑惑対象”となっているだけで、起訴されるかは不明。しかし、トム・クルーズ氏と離婚した豪州出身の女優ニコル・キッドマンさんも盗聴の「被害者」として最近、FBIから事情を聞かれたこともわかり、波紋を広げている。(ベリタ通信=苅田保)
この弁護士は、ハリウッドで80年代から活躍しているデニス・ワッサー氏(63)。同氏は、億万長者の投資家カーク・カーコリアン氏(88)の代理人を務めていた際、私立探偵を使って、カーコリアン氏を訴えた元妻やその弁護士の会話などを盗聴した疑いが持たれている。
米紙ロサンゼル・タイムズなどによると、女子テニスのプロ選手だった元妻は、カーコリアン氏に対し、4歳の娘の養育費の増額をめぐり提訴。要求は、月額5万ドル(約58万円)を一気に32万ドル(約3700万円)に引き上げるもの。
この訴訟に過程で、ワッサー弁護士は2002年3月、しばしば使う私立探偵のアンソニー・ペリカノ被告に電話をかけ、知人の弁護士テリー・クリスチャンセン被告に接触したうえで、元妻やその代理人の弁護士を“調べる”よう指示した。クリスチャンセン被告は、その後、ペリカノ被告に盗聴を行う名目として10万ドル(約1150万円)を支払った。連邦大陪審はことし2月までに両被告を含む計13人を盗聴や、脅迫などの罪で起訴している。
FBIは3年越しで捜査を続けてきた。先月28日、捜査当局はワッサー弁護士に対し、疑惑の対象になっていることを通告した。同弁護士が、不正を行う意図を持って私立探偵に接触したかどうかなどが訴追の決め手になるため、今のところどっちに転ぶかは不明だ。
▽盗聴防止措置「あったのに」
名士の離婚裁判などを手がける著名弁護士の数は限りがあり、ワッサー弁護士らの1時間当たりの弁護士費用は850ドル(約9万8千円)という高額だ。
投資家カーコリアン氏の元妻の訴えは、結局月額316ドル上積みの5万316ドルで決着。事実上敗訴した元妻は直ちに自分の弁護士の首を切っている。
一方、ワッサー弁護士は2001年にニコル・キッドマンさんと離婚することを明らかにしたトム・クルーズ氏の代理人も務めた。この発表の後、私立探偵のペリカノ被告が、キッドマンさんの会話を録音していたことも捜査当局の押収資料からわかっている。
キッドマンさんの関係者は、当時、キッドマンさんの電話は盗聴防止が施されており、会話が録音されていたことに驚きの声を上げている。しかし、関係者は、キッドマンさんが当時、トム・クルーズ氏の電話を使ったため、盗聴されたものと推測している。
捜査当局は、この盗聴に関連して最近、キッドマンさんから事情聴取したとされる。トム・クルーズ氏さんが、この盗聴の事実について事前に情報を得ていたのかはわかっていない。同氏は離婚後、別の若手女優と再婚している。
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