2006年04月02日10時59分掲載
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根津教諭の「君が代」拒否
「君が代」拒否で停職3ヶ月 でも予想より軽い処分は支持者のおかげ
東京都教育委員会は3月31日、今春の卒業式で「君が代」を拒否した公立学校の教師33人を懲戒処分にした。昨年停職1ヶ月の最も重い処分を受けた根津公子さん(立川二中)は、今回も停職3ヶ月の最も重い処分。そのうえ通勤に約2時間かかる職場に異動となった。それでも同教諭は、予測より軽い処分だったのは多くの人びとが不当処分に反対の声を上げてくれたおかげと感謝、停職中も「出勤」するとともに都への抗議行動をつづけるという。支援者と教え子にあてた根津さんの報告を紹介する。(ベリタ通信)
河原井さん根津さんらの『君が代』解雇をさせない会、 東京・ココロ裁判をすすめる会、 石川中裁判を支える会の皆さまへ
また、私の友人、教え子の皆さんへ
発信は、根津公子です。
昨日は卒業式での『君が代』不服従者に対する処分発令がされました。
処分発令がされる水道橋の研修センターの前には、処分に抗議する人たちが大勢集まってくださいました。その数、どなたかが数えたそうで、聞いたのですが、忘れてしまいました。200〜300人くらい、大阪や広島から来てくださった方もいました。都教委には、皆さんの怒りが伝わったと思います。皆さん、本当にありがとうございました。
以下、報告します。
高校28名、義務制3名、障害児学校2名、計33名。
処分量では、・停職3ヶ月が1名(根津)、
・停職1ヶ月1名(この方は、31日付で退職。経済的打撃を与えるために30日に処分発令という、えげつない仕打ちを都教委はしてきた。処分の効力は、発令の翌日発生するため)
・減給1/10 1ヶ月が10人、
・戒告が21人(今年新たに立ち上がった人たちが22人)でした。
私への処分は停職3ヶ月。まったく不当です。でも、3月16日の都議会での石原発言(=「きちっとした処分を重ねていくことじゃないと、教師たちの反省にはつながらない」)を考えると、停職6ヶ月、と私は予測していました。そこまで行かなかったのは、行かせなかったのは、たくさんの人の闘いがあり、支援があるからだと思います。原則的に、大勢でたたかうことが最大の防御なんですよね。
今日から私は町田市立鶴川第2中学校の職員になりました。表向きは「過員」による異動、その実は都教委の指示による異動でした。そして、今年もまた、私は「過員配置」させられました。都教委はまた、1年で異動とするでしょう。
鶴川2中までは6時20分に家を出て、8時15分の始業にぎりぎり駆け込む、という
ことになりそうです。帰りは渋滞や待ち合わせの関係で行きより20分以上は余計にかかるでしょう。
異動要綱を改悪し(これも2003年)、異動により日常的に制裁を加えるという、もの申す労働者いじめそのものです。
4月3日は、鶴川2中に出勤します。校長には、「停職でも、私をしっかり職員に紹介して」と約束してもらっています。
午後は、04年05年「君が代」処分撤回を求めた人事委員会口頭審理の第1回が行われますので、そちらに行きます。
■東京教組の被処分者の口頭審理(今回は10人の意見陳述です)
4月3日(月)14時から(13:30から傍聴券配布)
場所は都庁第一庁舎N棟39階(エレベーターを出るとすぐわかります)
お時間の許す方、ぜひ傍聴をお願いします。
6日から学校は始業ですので、両方の学校に「出勤」を考えています。今回は都庁への抗議行動も考えるつもりです。具体的にはまたお知らせします。
昨日の処分発令の後、「解雇させない会」の人たちが、抗議を兼ねて署名を提出してきました。累計で14069筆になりました。
他県のある教員は、「私も1人じゃないと励まされます。だから今回は座ります」といったメールをいただいたり。全国の方々の声に励まされます。
署名の、今後の取り扱いについては、別途協議してお知らせします。
3種の添付をご覧ください。
もう一つ、重要な、あまりにもひどい報告です。
『(わが国の)侵略戦争云々というのは、私は全くあたらないと思います。じゃ、日本はいったいどこを、いつ侵略したのかという、どこをいつ、どの国を侵略したのかということを具体的に一度聞いてみたいと思います』(文教委員会議事録)と発言した古賀都議のことばを引用して書いたプリントが「不適切」とされ、昨年9月から研修センターに送られていた増田都子さんが分限免職に処せられました。まったく許すことはできません。明日は、わが身です。
みなさん、抗議の声を届けてください。
以下、増田さんからのメールの転送の転送をします。
Subject: 分限免職処分!? ぜひ、抗議を!
<転送、大歓迎>
こんばんは。犯罪都教委&3悪都議と、断固、闘う増田です!
件名のように、本日、極度に度し難く不当な「分限免職」処分を犯罪都教委によって受けました。「発令を渡すから来い」というのを「犯罪都教委に付き合ってるヒマはないよ」と、行ってやることを拒否したら、わざわざ我孫子の自宅の郵便受けに、都教委の職員が入れにきていました。
今後、更に、断固として闘いますので、ぜひ、ご支援ご協力ください!
以下に、その「理由」なるモノを載せますが、犯罪都教委が言う「誹謗」「不適切」とは、正常な判断力を持つ人の日本語では「批判」ということですので、そこは「批判」と翻訳してお読みいただけると、「処分理由」の真実が理解できるでしょう。
要するに犯罪都教委の真実を暴露する教育をする者は、恐すぎておいておけない、ということでしょう!?
<犯罪都教委が言う「クビ」の理由>
上記の者は平成9年当時勤務していた東京都足立区立第十六中学校において授業を行った際、紙上討論と称する自作プリントに当時の同校生徒の保護者を誹謗する内容を掲載したこと及び同校生徒に配布する印刷物を同校管理職の許可を得ることなく配布したことにより、平成10年11月l7日に、信用失墜行為及び職務命令違反を理由として、東京都教育委員会から、l月間給料の10分の1を減ずる処分を受け、また、同校PTA会員名簿及び同校の封筒を使用して、当時同校生徒の保護者との係争中の裁判に関する自己の一方的な主張を記載した文書を当時の同校生徒の保護者全員にあてて郵送したことにより、平成11年7月28日に、信用失墜行為を理由として、東京都教育委員会から、1月間給料の10分の1を滅ずる処分を受け、上記処分を受けた等の理由により、同年9月1日に、東京都教育委員会から、指導法の改善、教育公務員としての資質向上等を図ることを目的として、平成12年月31日まで、東京都立教育研究所において長期研修を行うことを命ぜられ、同年4月1日に足立区教育委員会から、平成18年3月31日まで、同教育研究所において同様の内容の長期研修を行うことを命ぜられ、同年4月1目に、同教育委員会から、平成14年3月31費まで、東京都教職員研修センターにおいて同様の内容の長期研修を行うことを命ぜられた。このように、上記の者は、約2年7か月間にわたる研修を受講したにもかかわらず、平成17年6月下旬ころから同年7月上旬ころまでの間、特定の個人等を誹謗する不適切な教材を、千代田区立九段中学校において、同校生徒に配布して授業を行ったことにより同年8月30日に、信用失墜行為を理由として、東京都教育委員会から戒告処分を受けた。
また、上記の者は、千代田区教育委員会から、上記処分を受けた等の理由により、平成17年9月1日に、同区立学校教諭としての同区の教育目標・方針の認識等を目的とした研修を、同教育委員会において同月16日まで行うことを命じられたが、上記処分を受けたことの反省が見られない等、十分研修の成果があがらなかった。
また、上記の者は、同月20日に、同教育委員会から、学習指導の改善及び教育公務員としての資質向上等を目的とした研修を、東京都教職員研修センターにおいて平成18年3月31日まで行うことを命じられたが、同日午前9時ころ、同センターにおいて、研修ガイダンスを受けた際、持参した抗議文を読み始め、同センター企画課長から延べ3回にわたり止めるよう指示されたにもかかわらず、約2分間同文書を読むという抗議を行い、また、同日から12月9目までの間、研修内容の説明及び講義の際、裁判の資料にするなどと言って録音行為を始めたため、研修担当者から止めるよう再三指示されたにもかかわらず、延べ12回にわたり録音行為を行い、さらに、平成17年9月22日午前9時30分ころから同日午前11時50分ころまで、同センターにおいて、研修時間中であるにもかかわらず、同センター所長あての抗議文を作成するなど、不適切な行為を繰り返した。
また、上記の者は、同研修を命じられた期間中である同年11月7日、豊島区立勤労福祉会館で開催された集会において、千代田区立九段中学校長から千代田区教育委員会にあてた文書が、同校生徒の保護者にかかる情報が記載された文書であるにもかかわらず、'文書に記載された同保護者の了解を事前に得ることなく同文書を配布し、また、同集会において、上記の者が執行委員長の地位にある団体が発行し同保護者を誹謗した内容が記載されているビラを、同集会において上記文書と併せて配布するなど、同保護者を誹謗するという不適切な行為を繰り返し行った。
また上記の者は、平成17年9月20日から、平成18年3月3l日まで、東京都教職員研修センターにおぃて、学習指導法を改善すること、教育公務員としての資質向上に関すること等を目的とした研修を命じられたが、上記処分を受けたことに対し、自己の正当性を主張するのみで反省等がみられず、また、研修講師等に対して不適切な言動を繰り返す等、研修の成果はあがらなかった。 .
上記の者は、平成10年から2度の懲戒処分を受け、平成11年9月.1日から平成14年3月31日の2年7カ月にわたり、学習指導法の改善等を目的とした研修を受講し、さらに平成17年9月20日から平成18隼3月31日までの約6カ月にわたる研修を受講してもなお、教育公務員として不適切な独善的行為等を繰り返しており、今回の研修中におけるこれらの行為、研修結果等を総合的に判断すれば教育公務員としてはもとより、公務員としての自覚や責任観が着しく欠如し、その職に必要な適格性に欠くものであり、地方公務員法第28条第1項第3号の規定に該当する。
よって、上記の処分を行うものである。
◎抗議先
▼都民の声総合窓口(東京都生活文化局広報広聴部都民の声課都民の声係)
〒163-8001 東京都新宿区西新宿2−8−1 東京都庁第一本庁舎3階南側
TEL:03−5320−7741(総括ライン)
または03−5388−3144(提言・要望ライン)
FAX:03−5388−1233
koe@metro.tokyo.jp
http://www.metro.tokyo.jp/POLICY/TOMIN/iken.htm
▼教育委員会都民の声窓口(東京都教育庁総務部教育情報課広聴担当)
〒163-8001 東京都新宿区西新宿2−8−1 東京都庁第ニ本庁舎30階南側
TEL:03−5320−6733(直通)
または03−5321−1111(内線53−178)
FAX:03−5388−1726
S9000004@section.metro.tokyo.jp
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/mail.html
▼東京都教育委員会教育長・中村正彦
▼東京都教育委員会委員長・木村孟
〒163-8001 東京都新宿区西新宿2−8−1 東京都庁第ニ本庁舎30階北側
TEL:03−5320−6701(直通)
または03−5321−1111(内線53−001)
FAX:03−5388−1725(教育庁総務部教育政策)
▼教育庁指導部指導企画課
TEL:03−5320−6836(直通)
FAX:03−5388−1733
S9000020@section.metro.tokyo.jp
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2006/03/20g3e100.htm
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