2006年04月05日08時38分掲載
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米民主党が独身女性票をターゲットに 米国でも結婚年齢が急上昇中
米国では、これまで女性の結婚年齢は日本と比べると比較的若かったが、最近は上昇傾向にあり、独身生活を送る女性が増えている。結婚を経験していない女性のほかに、離婚してその後独身を通している女性も含めた独身女性は、米人口2億9000万人のうち5400万人に達しているといわれる。ことし11月の米大統領選挙を控え、ホワイトハウスの奪還を目指す野党民主党は、この独身女性票の獲得を狙っているという。(ベリタ通信=エレナ吉村)
各種報道を総合すると、独身女性の増加は、女性が自活するだけの財政的余裕を持つようになったほかに、家庭を築く前に、大学などで教育を受けることを望む傾向が強まったためという。学位などを取得すれば、社会でキャリアウーマンとして活躍できる道が開かれるからだ。しかし、女性が高学歴になるにつれ、同じ階層の男性を見つけることが、逆に難しくなる事態も起きている。
また結婚自体が「ステータス・シンボル」の意味を持つようになったことも結婚を躊躇させ、独身女性が増える結果になっている。「ステータス・シンボル」は一種の“地位の証明”で、結婚を盛大に祝うために、かなり見栄を張った式を挙げる必要に迫られている。この結果、結婚を心理的に拒否する傾向が強まり、独身女性が増えることにつながっている。
また女性の晩婚化傾向も、大きな要因の一つ。1950年の女性の平均的な結婚年齢は20・3歳だったが、70年には20・8歳、2004年には25・8歳までに上昇している。ちなみに男性は1950年の22・8歳から04年は27・4歳に上がっている。
このほか黒人女性に関しては、白人に比べ黒人男性の寿命の短さなどから、男性不足の状態が起きている。黒人女性100人対し、黒人男性86人という人口比も報告されている。
■独身世帯がナンバーワンに
米紙プレス・エンタープライズによると、2000年を境に、男性も含め独身生活を送る米国の世帯数の比率が、史上初めて他の形態の世帯と比べて一番多くなった。
米統計局の資料では、1900年当時、独身生活を送る数は全世帯のわずか5%だった。しかし、その後増え続け、2000年には全世帯数に独身世帯が占める割合が25%にまで達した。これは子どもを持った世帯の23%、子どものいない世帯の21%を、いずれも上回った。
一方、2008年の米大統領選挙で、ホワイトハウスを共和党から奪還することを目指す民主党が、民主党への支持者が多い独身女性の投票率拡大を目指している。独身女性の間に民主党支持者が多いのは、貧者救済の方針を取る民主党の考え方に賛同しているからだ。
前回(2004年)の大統領選挙では独身女性の投票率は22・4%に過ぎなかった。この数字をかなり上げれば、大接戦が予想される大統領選挙では、民主党にとってかなり有利になる。
民主党関係者は2004年の大統領選挙の時に、仮に独身女性の投票率が、もう少し上がっていたら、民主党候補のケリー上院議員が勝利を収めていただろうと、話している。
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