2006年04月05日12時48分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200604051248173

ヘロイン密輸未遂で豪州人3人に実刑判決

【アデレード5日=木村哲郎】オーストラリアのメディアの報道によると、香港の最高裁判所は3日、香港からシドニーにヘロインを密輸しようとしたオーストラリア人3人に実刑判決を下した。 
 
 被告は、クリス・ハ・ヴォ(16)=懲役9年、 レイチェル・アン・ディアズ(18)=懲役10年8ヶ月、ハッチンソン・トラン(22)=懲役13年4ヶ月、の3人。 
 
 被告人3人は、昨年4月12日に香港のホテルで、コンドームに詰めたヘロインを飲み込む直前に逮捕された。3人は114個のコンドームに計701グラムのヘロインを詰めていた。末端価格は約56000豪ドル(約470万円)に上った。 
 
 2月にインドネシア・バリ島で有罪判決が下されたオーストラリア人の「バリ9」の事例と同様に、今回の事件でも被告人が香港への「無料旅行」に招待されていたことが明らかになっている。 
 
 今回の事件では、ヘロインを詰めた30個のコンドームを飲み込む報酬額が200豪ドル(約1万7千円)に過ぎなかったことや、子供のときに性的な虐待を受けていたディアズ被告は美容師、またヴォ被告も働いていた場所がマクドナルドだったことから、無料の海外旅行をエサに犯罪組織が貧しい若者を利用した疑いが強い。 
 
 このため弁護側は「感受性の強い若者が犯罪組織に利用された。被告人たちも被害者だ」として寛大な判決を求めていた。 
 
 オーストラリアの若者がアジア各国で麻薬犯罪に関与し、逮捕される事件が相次いでいるためハワード首相は、「どうか麻薬には手を出さないでほしい」と訴えた。オーストラリア外務省も「現地では現地の法律が適用される」と若者たちに注意を促している。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。