2006年04月24日23時02分掲載
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「死体役」で売り出し、ハリウッドで名を挙げる ホラー映画にも出演、「生きた役」にも意欲
ハリウッド映画やテレビで、人が死んだり、殺されたりする筋書きは数多くある。路上のひき逃げや、電気ショックで死亡した人が画面にクローズアップされることもしばしばだ。ドラマの世界では、俳優が「死んだふり」をして死体役を演じるが、この死体役を専門にしたお蔭で、ハリウッドで名を挙げている風変わりな人物がいる。本職はコンピューター・プログラマーだが、お呼びが来れば、ドラマの中で、様々な死体姿を演じることができるという。(ベリタ通信=苅田保)
米紙サンディエゴ・ユニオン・トリビューンによると、米オハイオ州コロンバス出身のチャック・ラムさん(48)がその人。自ら「デッド・ボディー・ガイ(遺体男)」(DBG)と呼んでいる。
ラムさんは、コロンバスで大手保険会社に勤め、現在最初の妻との間に6人の子どもがある。しかし、長年の夢は、死体役でドラマの登場すること。近年はその願いが叶って、仕事の傍ら、映画やテレビで死体役で出演していたが、昨年12月には「DBG」のウェブサイトを開設し、本格的に売り込みを図った。
テレビの朝のワイドショーでもこれが話題を呼び、テレビ画面に映ったラムさんを見たハリウッドの映画監督が、「私が探していた人物だ」とほれ込み、ホラー映画「ホラウィーン」に出演させるのを決めた。
ラムさんは大学生の父親役を演じるが、ドラマの中で初めて死体ではなく、生きた人間として登場、セリフもある。オカルト的な要素のある作品のため、何度か死ぬシーンがあるという。
これまではドラマで遺体袋に入れられ、ジッパーが閉められるシーンなどに出演した場合、118ドルの出演料だったが、「ホラウィーン」の出演料はこれよりかなり多いのは確実だ。
DBGのウェブサイトには、ラムさんの「死体」となった様々な写真が掲載されている。写真は、現在の妻ターニャさん(38)が撮った。
■血痕一つも家族総掛かりで工夫
トースターをいじっていて感電死した姿や、はさみを持ったまま転倒し、目に刺さって死亡した姿など、異なった状況下での写真を掲載している。ガレージに挟まって死亡している写真があるが、これはターニャさんが幼児期に感じた恐怖感を再現したものだという。
一連の写真の血痕などは、シロップや、色の入った食べ物などを混ぜ合わせて作っている。愛犬のシェパードも写真の中に登場している。家族総出の手作業といった感じだ。
サイトでは、ラムさんが、映画やテレビの中で「死体」としていかに適しているかを10項目にして記している。主な理由は、「刺青がない」「はげているのでどのようなかつらにも対応できる」「カウボーイ、ギャング、ビジネスマンらどんな遺体も演じられる」「スターではないので、ギャラ交渉は必要ない」などとしている。
サイトには世界中から毎日200通のEメールが送られてくる。葬儀屋と名乗る人物は、DBGの写真は、本物らしくないとの辛らつな評価をしていたという。
ラムさんは、「裸の死体役以外はなんでもやる」と意気軒昂で、今後の夢は、生きた人間役を目指し、オーディションを受けることだと話している。
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