2006年05月04日23時11分掲載
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憲法9条の改正に「反対」が70% 東京・渋谷で市民らがシール投票
憲法記念日の5月3日を中心に、日本国憲法第9条の改正の是非をめぐり全国70都市でシール投票が行われた。世論調査とは違う形で、街行く人たちがどう考えているかを聞いてみようと、戦争を知らない若者と戦争世代の高齢者の市民が協力して企画した。東京・渋谷では、憲法9条の改正に「賛成」72人(20%)、「反対」258人(70%)、「わからない」39(10%)だった。各地の投票結果などと合わせて主催者に報告してもらった。(ベリタ通信)
憲法記念日の午後、渋谷駅前で憲法9条シール投票を実施した。4月29日から今日まで全国72の市・区で行われた「憲法9条変える?変えない?全国意見投票」に渋谷からも参加したのだ。一点の雲もない快晴で、ボードが埋没してしまうほどの人の波、波、波。
大学生から80代まで11名の市民が主催した。初対面同士が多いにもかかわらず、憲法9条の意見を聴取するという共通の目的ですぐにまとまり役割分担。横断幕や掲示板を持つ係、投票を呼びかけシールを配る係、意見をメモする係、チラシを配る係などに別れる。急ぎ足で通りすぎる多くの人に断られながらも、午後2時から4時までの2時間投票を呼びかけた。
投票結果は次のとおり。
憲法9条を変えるのに
賛成・・・・・72 (20%)
反対・・・ 258 (70%)
わからない・・39 (10%)
-----------------------------
合計・・・・369(100%)
全国事務局ではとにかく投票数を多く集めることを第一の目標としたが、一部の地区では、賛成・反対の理由を聞くことにも力を入れた。渋谷でも理由を聴取した。以下にその一部を抜粋する。
【賛成の理由】
・守られているだけで、日本は何も役に立っていないから
(20代女性)
・他の国に合わせないと相手にされない(30代男性)
・一項は必要、二項は変えるべき(40代男性)
・二項のみ変える(20代男性)
・アメリカがつくったのが気にくわない。作り直してほしい。
(20代男性)
・作った当初と今と、状況が違うから変えるべき(40代女性)
・竹島問題があるからです(50代男性)
・中国や北朝鮮にバカにされるから(30代男性2人組)
・自衛隊があるんだから、変えてもいい(20代女性)
・軍事力をきちんと抑制するために、改憲すべき。
・いまのまま拡大解釈がなしくずしになるのはかえって危険だ
から(20代ロースクール学生2人組)
・だって中国、北朝鮮の脅威があるじゃない。改憲に反対の人が身をもって私たちを守ってくれるのかしら。私は核も持つべき。抑止力になるから。
【反対の理由】
・60年前の戦争で、大きな犠牲を払った。それからの努力が無駄になる(20代男性)
・時期尚早(10代男性)
・日本独自のものだから、世界の手本にしてもらえるように(20代女性)
・憲法9条に助けられてきたのだから変えてはいけない。改憲の声が高まると不安になる(70代夫婦)
・そりゃ、しないほうがいいでしょ。外交でしない努力をすべき(20代男性)
・日本だけでなく世界平和のためにもこういう憲法は大事(30代男性)
・もう一度、同じ過ちをおかしたくないから(10代女性)
・戦争はいや。だれだってそうじゃない?(20代女性)
・戦力を持つべきではない。基地があるから戦争に巻き込まれるのが怖い(沖縄から遊びに来た10代女性2人組)
・今のままで大丈夫だと思うから(10代男性3人組)
日本人ではないが、以下の意見も興味深かった。
・武力行使はほんとに最終の最終の手段。アメリカにはブッシュのようなひどい大統領がいるけどね。日本はこれまでずーっと平和で来られたんだから、それでいいんじゃないか。
(40代のアメリカ人男性)
・ぼくは日系ベルギー人。両親から戦争中に日系人が外国で弾圧されたことを聞いている。戦争になったら、そういう悲劇もある。(20代日系ベルギー人男性)
・憲法9条の中身を知らない若者が多いのには驚いたが、条文を読み真剣に考えてから、自分の選択をしているのが見られてよかった。(20代韓国人女性2人)
東京新聞から密着取材を受けた。そのほか、ニュース23が通りかかる。昨夜の番組で、数十人による憲法前文コラージュが放映されたが、その中で、シール投票の場面を背景に主催者メンバーが「その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表がこれを行使し」の部分を読む場面が映った。
全国の投票結果は以下のとおり。
憲法9条を変えるのに
賛成・・・・ 3270 (12%)
反対・・・・21652 (77%)
わからない・・3247 (11%)
---------------------------------
合計・・・・28169(100%)
本日5月4日、全国事務局を預かる野田隆三郎氏がこの投票結果を小泉首相と衆参両院議長に報告する。
「憲法9条を変えてはいけないという国民大多数の民意を尊重し、9条を変えるのではなく、9条を生かすことによって世界の平和に貢献すべきだという一文を添えて。」
その他、各地の投票結果などの詳細は以下を参照。
http://tohyou.exblog.jp/
今村和宏
*渋谷の「シール投票」は4日の東京新聞社会面でも報じられている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060504/mng_____sya_____007.shtml
*事務局である岡山大学名誉教授・野田隆三郎さんの「憲法9条 変える?変えない? 全国意見投票」呼びかけ文
憲法を変える動きが急速に高まっています。昨年末には自民党新憲法草案が発表され、また今春の通常国会には憲法改正のための国民投票法案が提出されようとしています。
改定の核心は「戦争の放棄」を謳った憲法9条です。自民党新憲法草案では「戦争の放棄」という言葉が完全に消し去られています。このことからも分かるように9条改定は、戦後60年間、日本が曲りなりにも堅持し続けてきた専守防衛・平和主義の原則を根底から突き崩す恐れがあります。その影響は単に私たちだけにとどまらず、子々孫々にまで末ながく及ぶことは必至です。
いま政治の世界で先行している憲法改正の動きを国民はどう見ているのでしょうか。私たちは、このことを市民の手で確かめたいと思い、「憲法9条変える?変えない? 全国意見投票」を行うことにしました。
意見投票は、(憲法9条を変えることに)賛成、反対、わからないの3つの部分に区分けされた(一枚の)投票ボードを街頭に設置し、通りかかる市民にボードに丸いシールを貼ってもらうことによって自らの意思を表示してもらいます。
この方法は最も気軽に投票してもらうことができ、効率的、かつ公正に市民の意思を確認できる方法です。
意見投票の全国統一実施期間を2006年4月29日(土)〜5月3日(水)とします。このなかのご都合のいい日を選んで実施してください。
9条改定の賛否の理由や意見も聞きたい地域は、投票ボードのそばに意見箱を設置する等、独自に工夫して行ってください。集めていただいた意見・理由は整理して全国の投票結果とあわせて、小泉総理大臣と衆参両議院議長に届けます。
詳細は下記のウエブサイトの「全国意見投票実施要領」をご覧ください。
http://tohyou.exblog.jp/
全国意見投票が成功するかどうかは、全国でどれだけ多くの地域でこれに取り組んでいただけるか、そしてどれだけ多くの投票を集約できるかにかかっています。憲法9条の行方に関心をお持ちの全国の個人、団体のみなさん、ぜひ全国意見投票に取り組んでくださいますよう、心から呼びかけます。
2006年2月18日
呼びかけ人 (3月7日現在)
天木直人 外交評論家、元レバノン大使
安斎育郎 立命館大学教授
岡本三夫 広島修道大学名誉教授
金城 睦 弁護士
きくちゆみ ハーモニクスライフセンター/グローバルピースキャンペーン
斎藤貴男 ジャーナリスト
寺尾光身 名古屋工業大学名誉教授
野田隆三郎 岡山大学名誉教授
福田雅章 一橋大学名誉教授
星川 淳 グリーンピース・ジャパン事務局長、作家・翻訳家
毛利正道 弁護士
湯浅一郎 ピースリンク広島・呉・岩国 世話人
吉岡達也 ピースボート共同代表
(事務局090ー6837ー2425(野田))
http://tohyou.exblog.jp/
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