2006年05月08日07時10分掲載
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米国で高まる「SUMO」人気 米紙がカラー写真特集
日本の相撲が米国で、静かに支持層を増やしている。英語で「SUMO」と表記され、裸に近い巨漢の男たちが激しくぶつかり合う姿に、魅了される人たちも多い。米国では、伝統的日本文化の一つとして広く知れ渡っており、ハリウッド映画の中にもしばしば登場する。ことし4月初めには、米カリフォルニア州ロサンゼルスでアマチュア相撲オープンが開催されたことも手伝って、地元紙の間で相撲への関心が一段と高まっている。(ベリタ通信=有馬洋行)
ロサンゼルスを会場とした相撲オープンには、日本、米国、モンゴル、ブルガリア、ノルウェーなどから代表選手が参加。観客は、軽量、中量、重量級の「スモウ・レスラー」たちが、土俵に似せたリング上で押し、はたき、寄り切ったりする相撲の醍醐味に酔いしれ、盛んに拍手を送った。相撲オープンには女性部門もあったという。
米国では、テレビで相撲オープンの模様が後日、ビデオ放送された。日本の元横綱の武蔵丸が英語で解説を行っていた。相撲の世界では、多くの外国人力士が誕生しているが、英語のわかる関取が増えることは、相撲の国際的理解を深めるまたとない機会のようだ。
▼米での競技者はまだ少数
地元紙のロサンゼルス・タイムズやプレス・エンタープライズは、米国の相撲人気を好意的に紹介している。タイムズ紙によると、相撲オープンに最も多くの選手が参加したのは米国だと指摘している。
相撲オープンの重量級の部に参加したヒメネス君は体重180キロ、高校のフットボール選手。武術クラブを通じて「SUMO」に関心を持った。相撲の魅力は、その激しいエネルギーの衝突だと話す。母親は、暴力的なスポーツだと当初は心配した。将来の夢は日本に行くことだという。
プレス・エンタープライズ紙は最近、相撲オープンのカラー写真11枚を紙面3ページにわたって掲載、記事と共に「SUMO」を紹介した。
同紙は、カリフォルニア相撲協会の話として、相撲へのファンが増えている半面、相撲のアマチュア選手として活躍しているのは、米国では100人程度だと報じている。その中で激しい訓練を受けている選手に絞ると、20人程度になってしまうという。
相撲オープンに参加したダーグ・コークランさん(35)は小学校のコンピューターの教師。2人の子どもがいる。相撲は4年前に始めた。最初に戸惑ったのは相撲の「回し」。米国では、ふんどしを“オシメ”のように感じする人が多いようで、コークランさんは、ふんどしの下にパンツをはくことで、この問題を解決している。
コークランさんは、相撲の世界では、歳を取りすぎていると感じている。相撲にけがはつきもの。つま先や指、肋骨の骨折や、縫合を必要とする傷、それに歯にもかなりの負担がかかる。年齢が行くと、回復力が遅れるからだ。
「相撲は太った男がぶつかり合う単純なものだと、考えている人が多い」とコークランさん。実際は、技術、敏捷性などが要求されるスポーツだと語っている。
プレス・エンタープライズ紙は、日本の相撲では、「スモウ・レスラー」は表情を表さず、観客も沈黙している(注:これは日本では異論があるかもしれない)と指摘。これに対し、米国での相撲オープンでは行司役の審判に対し、観客からブーイングが起きたり、会場内では賭けが行われるなど、米国式の相撲鑑賞になっていると述べている。
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