2006年05月16日11時06分掲載
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豪州で全国民、永住者が身分証明書の保持へ
【アデレード16日=木村哲郎】オーストラリア政府はこのほど、2010年をめどに全ての国民を対象とした身分証明書、スマートカードの導入を決めた。このカードは政府がすでに発行している17のカードを統合したもの。スマートカードの保持は義務ではない。しかし、失業保険や福祉サービスなど社会保障のみが対象ではなく、誰もが加入している国民医療保険のメディケアーも対象になることから、実質的に全ての国民とオーストラリア国籍を持っていない永住者は、スマートカードの保持を強要され、このカードの下で管理されることになる。
またスマートカードには個人情報が記録されたマイクロチップが挿入されることから、災害時には被害者が、政府からの被災金を受け取る手続きを省いて、直接スーパーなどで買い物ができるようになるという。
しかし個人情報が掲載されたカードに「支配」されることに反発する声もある。今後4年間で計上している予算は約11億豪ドル(約930億円)と高額であることから、民主党のディスポーヤ元代表は、国家予算の無駄使いを指摘したうえで、「国民を信用していない警察国家のやり方だ」と政府を批判している。
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