2006年06月12日10時09分掲載
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シンガポールはなじみの土地だった 村上容疑者が選んだ理由
【星日報特約12日】村上ファンドの元代表、村上世彰容疑者がシンガポールを事業拠点移転先に選んだ理由について、シンガポールの英字紙「ストレート・タイムズ」は、父親の事業のために、若い頃からシンガポールを頻繁に訪れており、なじみの土地だったと指摘している。
村上元代表の父親、村上イサム氏は、息子の世彰がまだ12歳だった1972年にシンガポールにひとり移り住み、カベーナ・コートの3階にあるユニットを購入して、不動産売買・保守点検事業をはじめた。
イサム氏はマレー語が流ちょうといわれる。イサム氏の妻と息子2人は学校が休みに入ると、よくシンガポールの父を訪ね、ベンツで国内観光を楽しんだ。
村上が、なぜ、事業拠点の移転先にシンガポールを選んだか、その理由はこの辺にあるようだ。つまり、村上容疑者にとってシンガポールは10代の頃からのなじみの地だったということだ。
イサム氏は1990年代になって日本に戻った。だが、その後もよくシンガポールを訪れた。数年前に病に倒れてからは来訪していないが。
それでも、カベーナ・コートのユニットはまだ所有したままだ。イサム氏の知人によると、あのマンションは自分に幸運をもたらしてくれたので売れないとイサム氏は言っているという。
村上容疑者はブールバード・レジデンスのペントハウスを1600万シンガポールドル(約11億5000万円)で購入して大きな話題となったが、それを知ったホンリョン・グループの総帥クエ・レンベン氏は村上容疑者に「なぜ、(ホンリョン・グループ傘下のシティデベロップメント社が開発する)セント・レジデンスのユニットを購入しなかったのか、知っていれば1ユニット取っておいたのに」と語ったといわれる。
イサム氏のビジネス・パートナーで親密な関係だった、クエ氏の父ホンプンは故人となっている。
ホンリョン・グループとイサム氏、村上容疑者の関係は、台湾のホテル所有会社のホンリョン・インターナショナル(シンガポール)の株主という1点に限られていて、そのほかにはビジネス上の行き来は全くないと同社スポークスマンは公言している。
村上容疑者の今後については「ファンドマネジャーの仕事から撤退すると村上容疑者は発表したが、いずれシンガポールで再起をはかる可能性がないとはいえない。村上容疑者は株投資・取引チャンスがたくさんあるアジア市場を目にしてじっとしていることはできずに血が騒ぐはず。何と言っても46歳とまだ若いのだから」(ある日本人金融業界関係者)との声もある。
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