2006年07月21日11時26分掲載  無料記事
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中東

米軍、イラクで新型電磁波兵器を配備か 米国内で開発中止と配備撤回もとめる運動

  このほど、カリフォルニア戦略研究センター所長、ブレット・ワグナーからの呼びかけがインディ・メディア、ワン・ワールドなどへ投稿されました。 
 その内容は、アメリカが議会の承認なく、危険な新型兵器をイラクに配備したとの確証を得たこと、それに対し抗議し兵器の開発中止と配備撤回を求める署名の呼びかけです。問題の新型兵器とは「痛撃電磁波」と「殺人電磁波」、核弾頭以来最大の発明とされる新世代兵器。「痛撃電磁波」については、反対運動の成果により、一時米政府は配備を無期限に延期したとされていました。 
ところが・・・ 
 どのような兵器か、以下の文章とともに、ビデオを見て下さい。末尾に署名サイトの紹介とビデオのURLがあります。ブレット・ワグナーは「一回でなく何度か見るといいと思います。約24分くらいです。私自身、4,5回見てやっと、自分が現に何を見、聞いているのか、その一つひとつを理解できるようになりました」と言っています。また、犠牲者の中に一般市民や子どもの姿があり米軍による紛れもない戦争犯罪であること、また、この兵器は戦場だけでなく、日常の人権も脅かすものであると述べています。 
 以下のTUPP速報も参考にして下さい。 
 TUP速報292号「イラクは新型兵器の実験場」 
 http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/304 
                          (TUP/池田真里) 
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「痛撃電磁波」から「殺人電磁波」へ 
イラクの米軍は、すでに指向性エネルギー兵器を装備しているか? 
         ブレット・ワグナー(カリフォルニア戦略研究センター) 
 
 国家安全保障の専門家として訓練と経験を積んできた私だが、先月初めて放映された、あるドキュメンタリーを見たときは衝撃を受けた。それは大きな論議を呼んでいる新世代の米兵器についてのビデオだった。それがすでに秘密裏にイラクに配備されているかもしれないという。気弱な人にはすすめられない話である。 
 
 この数年、米軍は「指向性エネルギー」を利用する新技術を開発し、新型兵器2種の成果を得ている。 
 
 まず、「アクティブ・ディナイアル・システム」(積極阻止システム)。通常「痛撃電磁波」と呼ばれているが、これには十分理由がある。この兵器はマイクロ波の1種であるミリ波と呼ばれる、周波数95ギガヘルツ台の電磁波を出す。 
 この目に見えない電磁波は、皮下64分の1インチ(約0.4ミリ)のところまで届いて、直接、神経末端に害を及ぼす。また2秒間にわたって照射されると、皮膚は摂氏55度まで熱せられる。著名な非致死型兵器の専門家、チャールズ・ヒールは、このビームを熱いアイロンを皮膚に押し当てられるようなものと例え、「究極の群衆対策手段」と称している。 
 
 痛撃電磁波の配備は、明らかに国際法違反である。国際法は、苦痛を与えることを第一の目的とする兵器を禁じている。こうして禁じられているにもかかわらず、今年初め、イラク駐留のある米軍司令官は、すみやかにこの兵器が配備されるよう要請した。しかし、私たちの組織の働きかけや他の反対する動きにより、政府は、この兵器がさらに実験・データ分析されるのを待って、配備を無制限に延期してきた。 
 
 指向性エネルギー兵器のもう一つの型は、マイクロ波を発射する。今どきの台所で使われている電子レンジに利用されているものと同じである。私は、この兵器を「殺人電磁波」と名付けた。これにも十分な理由がある。哺乳動物をマイクロ波にさらすと、体が破裂してしまうことが知られている。 
 
 問題のドキュメンタリー・ビデオは、最近(2006年5月16日)イタリアの大手ニュース局[ライニュース24]によって放映されたが、マイクロ波発射を利用したとみられる新世代兵器を米軍が配備した(確認できる最も古いものは、2003年のバグダード空港での戦闘)という事実を検証している。見る者はそれなりの覚悟が必要である。元海軍大学教授である私にとってさえ、この映像の不快さは許容限度を超えている。 
 
 ビデオで報道された兵器の効力から考えて、「レーザー」という一般名称では括りきれない「光速」技術が使われていると考えられる。また、説明不可能な理由で破裂したとみられる遺体の様子から見て、マイクロ波も利用していると考えられる。 
 
 ところが、何かの光線に曝され(これが死因である)、長さ1メートルほどに縮んだ後で、なんらかの形で銃撃を受けた死体を画面で見たが、これに対してはいかなる科学的な説明も思いつかない。目撃者がバスが「濡れ雑巾のように」くちゃっと変形して、フォルクスワーゲンの乗用車くらいに縮んでしまったと述べているのを、どう解釈していいのかもわからない。しかし、私は、非常に強力な型のマイクロ波ではないかと思う。 
 
 以下の2003年記者会見記録からのラムズフェルド国防長官とマイヤーズ将軍の発言は、ことに重要な実相を伝えている。 
 
記者:長官、対テロ戦争を戦うため、開発しているという新技術、特に指向性エネルギーと強力マイクロ波技術について質問したいと思います。このような技術をいつ頃実用化する計画ですか? 
 
ラムズフェルド長官:(質問に対する不快感を露骨に示して)物事の通例として、研究開発に投資し、開発プロジェクトを開始する際は、実用化を意図したり期待しないものです。もっとも、現実が対応を迫ってくることは間々あるわけで、まだ開発途上のものをひっぱりだして使用することもあります。 
 
記者:お話では、あなたはこの実験に積極的とみえますが。 
 
マイヤーズ将軍:ええ、そのことなんですがね。この紛争の当初からその考えはあったと思います。フランクス司令官[イラク駐留米軍司令官]は、これまでに新しいものをたいへん積極的に検討してきました。新技術で利用できるものがあれば、十分仕上がって諸条件が調っていなくても進んで実戦に投入してきました。・・・ですからこれからも我々はそうするでしょう。 
 
さらに注目すべきは、このビデオの最後近くに入っている映像である。非常に短いものだが、「痛撃電磁波」が米兵とわかる人物にテストされる場面だ。電磁波を当てられたその人物は、明らかに耐えがたい苦痛を感じたことが見て取れ、すぐに照射された光線から身をかわしていた。 
 
 ビデオは、大いに尊敬されている軍事評論家、ウィリアム・アーキンの言葉で締めくくられるが、それは、これまでに私が痛撃電磁波について広く伝えてきた懸念を裏書きしていた。アメリカでは群衆対策に痛撃電磁波を使用する可能性があり、それは合衆国憲法修正第1条に規定された平和的な集会を開いたり政府に苦情救済を申し立てる市民の権利を脅かすものなのだ(残虐で異常な懲罰を禁じる修正第6条の規範を破るものであることはいうまでもない)。 
 
 このように、これらの兵器は、世界に対する極度の脅威である。何としてもその配備を阻止しなければならない。どんなに控えめに見ても、これら兵器は世界規模の新たな軍備拡張競争に火をつけ、それによって世界情勢はいっそう不安定になるか、あるいはもっと悪い事態になる。 
 
 この「素晴らしき新世界」を決して到来させてはならない。 
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◎ビデオは下記のサイトで英語版、イタリア語版、アラビア語版が見られます。 
http://www.rainews24.it/ran24/inchieste/guerre_stellari_iraq.asp 
 
◎続いて、痛撃電磁波、殺人電磁波それぞれに反対する2つの署名サイトです。 
 
●痛撃電磁波の開発・配備に反対する署名サイト。 
http://www.petitiononline.com/painray/petition.html 
 
宛先: 米国議会と国防総省 
 
 国防総省はこのほど、イラクにおいて問題となっている新型兵器、いわゆる「アクティブ・ディナイアル・システム」通称「痛撃電磁波」の配備を検討していると発表した。「アクティブ・ディナイアル・システム」は、激痛を与える群衆対策用兵器として開発された。 
 
 この「痛撃電磁波」は、発信器で95ギガヘルツのエネルギー波を発生させ、アンテナで人間を標的に不可視光線を浴びせる。エネルギー波が目標に到達すると、この不可視光線は表皮を通過し、標的となった人は数秒で、専門家の表現では、熱いアイロンを皮膚に押し当てられたような耐えがたい熱感を感じる。 
 
 痛撃電磁波が配備された場合には、国際的な広報活動の大失敗となるであろうし、21世紀を先駆ける新軍拡競争をもたらすことはいうまでもなく、苦痛を与える兵器という危険な兵器新時代をもたらすであろう。 
 
 国防総省は痛撃電磁波の配備の無期限延期を決定したと報道されているが、実際はまだ積極的に配備を検討している。戦略立案の専門家グループは依然として、イラクで痛撃電磁波が使用されることを望んでいるし、その配備が実現するよう働きかけている。 
 
 この請願に署名することによって、私たちはカリフォルニア戦略研究所とともに、米国議会と国防総省に対し、永久に痛撃電磁波の配備を延期するよう正規の要請を行う。 
 以下署名人名簿 
 
●殺人電磁波の開発・配備に反対する署名サイト。 
http://www.PetitionOnline.com/DeathRay/petition.html 
 
米国は、「指向性エネルギー」攻撃兵器を禁止するための法制を 
 
宛先:米国議会と国防総省 
 
 指向性エネルギーまたは高性能マイクロ波技術による攻撃兵器は、人間を即時に爆破するなど言語に絶する残酷な効力をもつと言われており、 
 また、指向性エネルギーまたは高性能ミリ波技術による攻撃兵器は、被曝や拷問の痕を身体に残すことなく人間に耐えがたい激痛をもたらすなど著しく残酷な効力をもつと言われ、苦痛を与えることを特に目的とした性能をもつよう設計されていることから、明確な国際法違反であり、 
 
 さらに、指向性エネルギーまたは高性能マイクロ波・ミリ波技術に基づく攻撃兵器は、米軍によって配備を検討されているという報告があり、また一定の証拠が示すように、明白に国際法を犯して、すでに米軍によってイラクにて配備使用されている可能性があると言われており、 
 
 また、高性能ミリ波技術による攻撃兵器は、激痛を与えることによって群衆を散らす目的で設計されていると言われており、それ故、平和的集会や苦情救済を政府に申し立てる権利などを含め、米国憲法修正第1条にいう米国市民の基本的人権に対する潜在的かつ深刻な脅威であり、 
 
 また、高性能ミリ波技術による攻撃兵器は、残酷かつ異常な懲罰を禁じた米国憲法修正第6条にいう規範を破る可能性があり、 
 
 さらに、このような兵器の開発と配備は、指向性エネルギー兵器による世界規模の新たな軍備拡張競争の開始をもたらす可能性があるので、 
 
 私たちはここに、米国議会に対し、情報収集と宣伝に使用される兵器を除き、米国による指向性エネルギーと高性能マイクロ波またはミリ波技術を利用したすべての攻撃兵器の開発継続とその配備の完全禁止をすみやかに立法化することを要請する。 
 
 さらに、ここに署名する私たちは、米国国防総省に対し、すでに外国の領土や国際水域に配備されていると考えられるこれら兵器を米本土の安全な保管場所に撤収することを要求する。 
 以下署名人名簿 
************* 
 
カリフォルニア戦略研究センターのサイト 
www.TheCaliforniaCenter.org 
 
原文サイト: 
ワン・ワールド 
http://uk.oneworld.net/article/view/136518/1/ 
インディ・メディア 
http://www.indymedia.org/en/2006/07/842650.shtml 
 
(翻訳:TUP/池田真里) 
 
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TUP速報 
配信担当 萩谷 良 


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