2006年07月31日03時22分掲載  無料記事
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交渉拒否続けるトヨタと全世界的争議 フィリピン労組への連帯、日本でも広がる

 フィリピンでの最大の自動車工場として1988年に操業されたフィリピンのトヨタ工場では、結成されたフィリピン・トヨタ労組(TMPCWA)が、職員の多数を代表する労働組合としてトヨタと労使協議を申し入れたにもかかわらず、トヨタ側はこれを拒否し続けている。2000年3月、労働協約を結ぶ労使協議(CBA)を行う権利を得るために行われた「組合承認選挙」に不正があったからというのがその理由。主に職場の職制(課長クラス)に選挙権があるかないかの判断をめぐってのものだった。その後、第三者機関の仲裁により組合側の勝利が確定したにもかかわらず、トヨタは逆に組合員233名を解雇した。労組は解雇撤回闘争を繰り広げ、このほど国際金属労連(IMF)世界執行委員会をして全世界的な労働争議としてトヨタを糾弾していく方針を決定した。(デーブ多田野) 
 
 
  今回IMFがフィリピントヨタ労組との団体交渉を行うようトヨタ本社に要求してきたが、トヨタ側はこれを無視したため、IMFは反トヨタ国際キャンペーンを始めた。 
 フィリピントヨタ労組を支援する運動は日本でも行われており、7月14日東京集会、16、17日にかけては愛知のトヨタ本社に対して抗議行動が行われた。 
  この行動には解雇されたフィリピントヨタ労組委員長始め、現在もフィリピントヨタ工場内で働いている副委員長も来日した。 
  東京集会には「郵政ユニオン」からも多数参加し、16―17日のトヨタ本社前行動、近畿での集会にも同ユニオンから2人が参加した。 
 
  「飯田橋SKプラザホール」で開催された東京集会には約110人が参加。同集会では最初にフィリピントヨタ本社の門前でのストライキ集会や工場の中で組合員章を付けて働く労働者など、フィリピン労働者の「戦闘的闘争の歴史」を簡単に紹介したビデオ上映が行われ、来日した2人のフィリピントヨタ労組員からのメッセージも伝えられた。 
 
  日本のトヨタ本社内の労働組合は、この間なんら具体的な連帯行動を組織化していない。 
 このことに対し「本来IMF傘下にある組合にもかかわらず、その指令にも半ば無視を決め込んでいるに等しい。 トヨタは日本を代表する企業だが、その会社が海外で不当な行為をなしているのなら、日本の労働者が支援を取り組まないでどうする」との声が日本の支援者からは上がった。 
 
 郵政ユニオンは「フィリピン労働者を支援する反トヨタ世界キャンペーンは、私たちの闘いでもある」とし、連帯の姿勢を鮮明にしている。 


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