2006年08月04日07時54分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200608040754315
3歳の息子が銃発射し非番警官が負傷 自宅内での保管に問題か
米国の警官は非番でも、自宅に拳銃を持ち帰って、弾を詰めたまま保管している。しかし、自宅に子どもがいる場合は、拳銃は凶器になる。好奇心旺盛な子どもたちが、自宅のどこに隠しても、必ず目ざとく保管場所を見つけ出してしまうからだ。このため子どもによる銃の暴発事件も後を絶たない。7月にも、非番の警官が運転中、後部席に座っていた3歳の息子に銃で背中を撃ち抜れる事故が起きている。一命を取り止めたが重傷で、後遺症が残る可能性があるという。(ベリタ通信=苅田保)
米メディアによると、7月11日午前、米カリフォルニア州アナハイムで、ロサンゼルス市警勤務で非番のエンリケ・チャベスさん(35)が、ピックアップ・トラックを運転中、赤信号で停止中に、後部席にいた息子が拳銃を一発発射。弾は、運転台のチェアを貫き、チャベスさんの背中から胸を突きぬいた。
チャベスさんは気丈にも車から出ると、びっくりした表情の息子を抱え、近所のバス停留所にいた人に助けを求めた。間もなく救急車で病院に運ばれたが重傷で、体にマヒ状態が残る可能性がある。
警察によっては、非番の警官に対し、自宅で銃を保管するときは、弾丸を抜き、銃と別々にして、金庫などに保管するよう指示しているところもある。これに対し、ロス市警は、非番の警官であっても、自宅では弾を装填したままで保管するよう指示している。これは緊急時に弾が装填されていないと遅れを取るとの配慮からのようだ。
チャベスさんは勤続10年のベテラン警官。3歳の息子が撃った銃は、チャベスさんが使用していたものだが、なぜ銃が後部席にあったのかは不明。子どもが銃をいじっているうちに暴発した可能性もあるがはっきりしていない。
カリフォルニア州では最近、2件の銃暴発事件が起きている。6月に婦人警官が自宅で銃で顔を撃ち、当初自殺未遂と報告された。しかし、その後の調べで、警官の18歳の息子が、銃を持ち出して自殺しようとしたため、彼女が奪い取ろうとしてもみ合っているうちに暴発したのがわかった。
7月初めには、子どもの話ではないが、新婚早々の妻が、警官の夫が携帯電話で密かに誰かにメールを送っているのを見つけ逆上、非番中の夫を持ち出して発砲し、負傷させる事件も起きている。
一方、2004年10月には、カリフォルニア州の警官の自宅で、小さな子ども4人が遊んでいるうちに、警官が置いていた銃で、4人の中で年長の7歳の少女が死亡する事故が起きている。この警官は銃の保管を怠ったとして起訴された。
警官は職を辞したが、7月に裁判所の陪審員団は、過失の責任がはっきりしないとして、無罪の評決を下している。当事者が小さな子どもであるため、事故当時の状況がはっきりしなかったためとみられる。
一般に警官の子どもは、幼い場合、父親か母親が持っている銃を友達に得意げに見せたがる傾向があるという。このため警察当局は、警官に対し、子どもたちに銃の怖さを教育し、玩具ではないことを教え込む必要があると話している。
具体的には、子どもが銃を自宅で発見したら、絶対に触らず、大人に知らせることを徹底すべきだとしている。このほか、親が銃を発射する様子を実際に見せ、銃の威力を認識させることも推奨されている。
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。