2006年08月05日00時02分掲載
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時事英語一口メモ
【3】発射か発射実験か
ブログ版
北朝鮮のミサイルに関して、海外のメディアが「発射実験」という言葉を使っているのに、日本のメディアは「発射」という言葉を使って大騒ぎをしているのはおかしいという主張がある。宮台真司氏がブログで述べており、「週刊金曜日」にもそのような趣旨の読者の投稿があった。果たしてそうであろうか。
Google Newsで北朝鮮のミサイル関係の英文記事を検索してみると、確かに名詞ではtests、動詞ではtest-fire(発射実験をする)を使っているのが多い。しかし、launches, firing(発射)としているのも少なくない。
北朝鮮の外務省スポークスマンは7月6日、朝鮮中央通信社を通じて、今回のミサイルについて、次ぎのように述べている。
“The latest successful missile launches were part of the routine military exercises staged by the KPA to increase the nation's military capacity for self-defence.”(今回成功裏に行われたミサイル発射は、自衛的国防力の強化のためにわが軍隊が行った通常の軍事訓練の一環である)
“The KPA will go on with missile launch exercises as part of its efforts to bolster deterrent for self-defence in the future, too.”(わが軍隊は今回と同様に今後も、自衛的抑止力強化の一環としてミサイル発射訓練を続けるだろう)
このように今回のミサイルについて北朝鮮はlaunchを使っている。test-fireという言葉は米国と合意したモラトリアムと日朝の平壌宣言に触れたところで使っている。
北朝鮮のいう「発射訓練」が「発射実験」と異なるものであるか不明であるが、いずれにしても、「発射」と「発射実験」を区別することは意味のないことだと思われる。
(と)
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