2006年08月05日21時46分掲載
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米ネバダ州の女性財政責任者トップが不可解な死、毒殺疑惑も
米ネバダ州の予算管理を行う女性の最高財政責任者が、突然心臓発作で死亡した。年齢も50歳と若く、また健康でそれまで心臓の病歴もなかった。しかし、今回の急死をめぐって、家族の間から、8歳年下の夫が、今回の急死に何らかの形で関与しているのではとの疑問の声が上がっている。この夫は、急死した妻の暫定的な死体解剖結果が出る直前に、手首を切って自殺未遂を起こす騒ぎを起こすなど、不可解な行動を取っている。(ベリタ通信=有馬洋行)
米メディアによると、死亡したのは、キャシー・オーガスティンさん。ネバダ州では、史上初の女性の最高財政責任者として話題を集めた。同責任者は公選制で州予算の使途などを監督する重要ポスト。最高財政責任者に就任する前には、州議会の共和党議員だった。
疑惑が持たれているのは、看護士のチャズ・ヒッグズ氏(42)。キャシーさんとは2003年に結婚した。
二人が知り合ったのは、キャシーさんの前夫チャールズ・オーガスティンさん(63)が発作を起こし、病院に入院中のことだったとみられている。ヒッグズ氏はこの病院で働いていた。チャールズ氏の容態は回復せず、2003年8月死亡した。二人は、チャールズ氏の死後1カ月後に、ハワイで電撃結婚をしている。
ヒッグズ氏がネバダ州北部のリノで自宅で心臓の発作を起こし倒れているキャシーさんを発見した7月8日。キャシーさんはその3日後に病院で死亡した。
キャシーさんは当時、最高財政責任者の3選を目指し、選挙運動の最中だった。キャシーさんは押し出しの強い性格との評判もあり、敵も多かったようだ。しかし、急死するまで元気で活躍していたことから周囲の関係者は、突然の訃報に驚いた。
▼ビッグズ氏に2度自己破産の過去
ヒッグズ氏はキャシーさんの心臓発作は「ストレスによるもの」と強調した。この発言には意味がある。実は、キャシーさんは、2002年に再選運動期間中に、州財産を無断で使用し、州議会で弾劾を決議されていた。
結果的には、譴責処分を受けるだけで済み、その後最高財政責任者の職を継続していた。しかし、州共和党本部は、キャシーさんの3選出馬を望まず、党としての支持を取り下げていた。
ヒッグズ氏は、こうしたことが重荷になってキャシーさんが、発作を起こしたと指摘したわけだ。しかし、キャシーさんの死体が解剖に回され、暫定結果が出る直前の7月14日、ラスベガスのもう1軒の自宅で、手首を切り、自殺未遂を起こした。
このため、キャシーさんの死をめぐってヒッグズ氏への疑惑が膨らんだ。暫定の検視結果では、キャシーさんに心臓病の病歴はなかったことが確認された。現在、キャシーさんに何らかの毒物が投与されていたのかをめぐり、本格的な検視が行われている。
この結果が出るまでは、変死かどうかは判断できない見通しだ。キャシーさんの前夫チャールズさんの息子で、キャシーさんは義母に当たるグレッグさんは、キャシーさんの死因に不審な点が見つかれば、父親チャールズさんの解剖が行われることを希望している。チャールズさんは当時病死として扱われ、解剖は行われていない。
ヒッグズ氏は米海軍では二等兵曹だった。その後各地を転々とし、キャシーさんと結婚する前に、二度自己破産を宣告している。キャシーさんとは再婚。2002年にネバダ州に看護士(婦)として登録している。この間、違法行為をしたとの報告は出ていない。
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