2006年08月21日22時15分掲載
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加州の住宅ブームに蔭り? 住宅販売は記録的落ち込み
気候が温暖で住みやすい土地として知られる米カリフォルニア州。活断層が南北を縦断しており、地震は要注意だが、多くの人々が、太陽がさん然と輝き、青い海が広がる自然の豊かさにひかれて、カリフォルニアに流入している。人の流入が増えれば、高くなるのが住宅価格。投機を当て込んだ不動産買いもあり、長年住宅ブームを満喫してきた。しかし、最近の相次ぐ金利上昇で、10年間近く続いた住宅ブームが終焉を迎えるのではとの懸念の声も上がっている。(ベリタ通信=江口惇)
米メディアによると、カリフォルニア州は、全米の中でも、不動産価格はトップレベル。一般の庶民の間では、人気のある地域での不動産入手は、ほぼ高値の花になりつつあった。ところが2005年春ごろから、強気一点張りだった不動産市場に陰りがみえ始めた。
売れ残りの住宅の在庫数も上昇し、また連邦政府が、インフレを懸念して数次にわたり公定歩合を引き上げたため、住宅ローンの金利も上がりし、不動産市場に冷水を浴びせることになった。
不動産価格を定期的に追跡している調査会社によると、カリフォルニア州南部では、7月の不動産の販売戸数が、1年前に比べ激減し、不動産関係者を驚かせている。
ロサンゼルス近郊のオレンジ郡では36%も大幅に減少した。その他の地域も軒並み減り、サンディエゴ郡で29.3%、ロサンジェルス24・9%などと、大きな落ち込みになった。
不動産関係者にとっては、こうした減少は大きな驚きだった。一応、住宅販売は減速するだろうと予想されていたものの、7月の減少幅は予想をはるかに上回るものになった。カリフォルニア州南部では、全体として9年ぶりの大幅な減少だという。
北部のサンフランシスコ周辺も、住宅販売は1年前に比べ30%以上も落ち込んでいる。エコノミストの中には、住宅販売の落ち込みは季節的なものだという意見を述べる者もいる。
一方、年々値上がりしていた住宅価格も鈍化に転じた。エコノミストは、バブルで住宅価格が膨れ上がりすぎていたことや、投機筋の手控えなどによって、住宅販売のブレーキがかかったとみている。
関係者によると、昨年中はまだ、不動産価格は上昇すると信じて住宅を買う人もいたが、ことしは、住宅価格は今後あまり上昇せず、逆に値下がりするかもしれないとの悲観論も広がり始めているという。価格鈍化の傾向は今後、年末から07年にかけて続く見通しといわれる。
米国では、住宅を入手するのは、人生の目標の一つにもなっているが、今が、住宅を購入する絶好のタイミングかどうかは、はっきりしていない。本当に住宅ブームが終焉を迎えつつあるかは、もう少し長期的にみる必要があるからだ。
「今、買うのが正しいのか。それとも今、買うのは間違いか。どちらとも言えない」と、ある不動産コンサルタントは話している。
新規着工の住宅も、作れば売れるという時代は去り、業者は売れ残りの住宅の販売に追われている。大幅な値下げをしても、なかなか売れない状況だという。このため開発業者は、住宅建設の計画を中断するなど、弱気の姿勢に転じている
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