2006年08月23日10時43分掲載
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東京レズビアン&ゲイパレード2006 攝津正
2006年8月12日(土)、「東京レズビアン&ゲイパレード2006」に参加した。私は、最近立ち上げた「Queers Association」というグループで参加し、私の友人・知人など5名で原宿・代々木公園でのパレードに向かった。集まった人は2000人以上。パレードに参加する人達、沿道で応援する人達を含め多数の参加者が声を挙げた。出発しようとしたら、ちょうど物凄い雷雨に襲われ、出発が少々延期になった。だが待っているうちに小降りになり、歩けるようになった。雨の中、巨大な乳房のオブジェと戯れて、アーティストのイトー・ターリさんがパフォーマンスをしてくれて、群集が拍手喝采した、という愉しい場面もあった。
知人から、今年の「東京レズビアン&ゲイパレード2006」には、警察から介入があり、音量規制がされたという話を聞いていた。私は主催者ではないので真偽の程は分からないが、確かにサウンドが前回よりも小さめのように感じた。サウンドもなく、コールもなく、正直物足りなさを感じていたのだが、パレードも後半になって、突如、サウンドカーと共に歌手の方が登場し、ソウルフルな歌声を披露してくれた。音量規制など跳ね返す勢いで、パレード参加者も大いに盛り上がった。やはりアートの力というのは偉大なものだと感じた。
今回のパレードに不満がないわけではない。先ず、名称の問題がある。バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス、アセクシュアルなど多様な性的少数者がいるのに、何故東京「レズビアン&ゲイ」パレード2006なのか、札幌などのように、プライド・マーチとかセクシュアル・マイノリティ・パレードとかに出来ないのか、という不満が一つある。実際、私が女性運動のMLにパレードの件を提起したところ、トランスジェンダーの方から、自分はトランスジェンダーを無視する今回のパレードはボイコットする、という意見表明があった。そのような声があることを、実行委の方々にも受け止めていただきたいと願う。
また内容面でも、今回のパレードには、現在の社会に対する批判という視点がほとんどないと感じた。どんな少数者であっても自由と生存を、表現を、というところをもっと求めていきたい、と思った。また性という課題のみを強調するのではなく、反戦や労働といった「生」の課題も追求していきたいと感じた。現在の資本や国家、民族、家族等々に迎合的なレズビアン・ゲイもいれば、それらに批判的・対抗的なQueerもいるだろう。私は、批判的なQueerとして声を挙げていきたいし、そうした仲間を集めていきたい。
「東京レズビアン&ゲイパレード2006」
http://www.tlgp.org/
イトー・ターリさんのサイト
http://www.pafspace.com/
保坂展人さんのブログ「東京レズビアン&ゲイパレードに行ってきた」
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/1f0c2f22633b5759a9c0908636346f3c
「日刊ゲイ新聞」
http://boyslove.co.jp/
http://boyslove.co.jp/2006tlgp.html
「Queers Association」
http://beauty.geocities.jp/queers_association/
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