2006年08月30日19時57分掲載  無料記事
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ソーラーパネル設置で代替エネルギー:豪州

【アデレード30日=木村哲郎】オーストラリアのハワード首相は30日、試験的な代替エネルギー計画の一環として5300万豪ドル(1豪ドルは約90円)を計上し、アデレード市北部にある1700の建物の屋根にソーラーパネルを設置すると発表した。 
 
 この「ソーラー・シティー」計画では、アデレード市北部にある住宅や役所の屋根にソーラーパネルを建設。パネルの設置には援助金が出されるほか、充電された分の電力が電気代に計算されて払い戻されるという。ちなみに1世帯あたりの節約額は1年間で約200豪ドル。電力が一番消費される夏の昼間は最も陽光が強いことから、真夏に電力不足で停電が起きることもあるアデレードでの、具体的な成果が期待されている。 
 
 また市内中心部にあるセントラルマーケットや水道局のビルの屋根にもソーラーパネルが設置されるという。 
 
 「ソーラー・シティー」計画は2004年6月に連邦政府が概要を発表。22の地方自治体が立候補してアデレードが選ばれたが、計画当初は石炭などから排出される公害を減らすことが主眼だった。そのためハワード首相も「環境に優しい原子力発電」への転換を主張していた。 
 
 しかし発表された計画ではエネルギー節約を積極的に促進することになった。ソーラーパネル設置のほか、7000世帯にピーク時とオフピーク時の電気代が別々に計算される「スマートメーター」が取り付けられるという。 
 
 今回の計画発表は大きな「方向転換」であるのかもしれないが、前回の国政選挙ではアデレードにある選挙区5つが接戦であったため、来年予定されている選挙対策という冷ややかな見方があることも確かだ。 


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