2006年08月31日21時41分掲載  無料記事
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東ティモールで白昼堂々の脱獄劇、57人が逃走

 【クアラルンプール31日=和田等】東ティモールの首都ディリ東部にあるベコラ刑務所で30日、白昼堂々の脱走劇が演じられ、57人が脱走した。脱走者の中には同国で4月から5月にかけて発生し、計21人の死者と15万人の国内避難民を出した騒乱事件の際に反乱軍の指導者の役割を務めたアルフレド・レイナド少佐が含まれている。 
 
 東ティモールでの任務を開始したばかりの国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)傘下の国連警察と国際平和維持軍は、協力して交通検問用の道路ブロックを主要地点に設置し、脱獄者の捜索を行なっている。UNMITが明らかにした。 
 
 憲兵隊の隊長を務めていたレイナド少佐は国防軍に反旗を翻し、5月末に部下を引き連れてディリ南郊の山岳部に立てこもり、反乱を指揮。アルカティリ前首相が辞任するまで武器を引き渡さないと宣言し、抵抗を続けた。 
 
 東ティモールでの騒乱は、3月に国防軍内での出身地域による差別を訴え任務にあたることを拒否した兵士約600人を除隊させたことがきっかけになって発生した。レイナド少佐のグループも除隊させられた兵士のグループに同調して政府軍に反旗を翻した。 
 
 アルカティリ前首相が辞任したことで投降したレイナド少佐は、計画的殺人罪や軍の所有物の横領罪など、複数の罪状で起訴されていた。なお、東ティモールの刑務所には公判中の未決囚(被告)も、服役囚と一緒に収監されている。 
 
 同国では独立直後の2002年8月にもベコラ刑務所で大量脱獄事件が起こっている。 


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