2006年09月12日19時12分掲載
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マハティール前首相、代議員選挙で落選 「マハティール時代」の終焉か
【クアラルンプール12日=和田等】11月に開催されるマレーシア与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)党大会で現政権に対する不平をぶちまけようと狙っていたマハティール前首相が、9日に開催されたケダ州クバンパス地区の大会で代議員選出選挙に敗れ、党大会に出席する資格を得られないという「番狂わせ」の事態が起こった。地元各紙が報じた。
支部を代表する代議員の定員は7人で、15人が立候補した。マハティール前首相は、投票数472票のうち、227票しか得られず惨敗。
前首相が選挙に敗れたことについて、前首相の三男のムクリス・マハティール氏は、支部代議員に対して前首相を愛しているなら前首相に投票するなとのキャンペーンがはられたためであると指摘。「支部代議員会議では歓迎を受けていたこともあって、こんな結果になったことに父は失望を隠しきれなかった」と語った。
▼現首相の基盤固まる
一方、アナリストの多くは「地元選挙区でのマハティール前首相の敗北は、マハティール時代が正式に終わり、UMNOがアブドラ・バダウィ首相時代に入ったことを意味する。与党内における前首相の政治的影響力は衰退の一途にあり、前首相は今後、現政権に対する1批判者として存在を誇示するほかなくなるだろう」と見ている。
UMNO支部代議員選挙でマハティール前首相が落選したことについてアブドラ首相は、マハティール前首相を含む過去もしくは現在の党指導者は党大会に招待されると言明。前首相を党大会から排除することはないと強調した。2003年10月にマハティール前首相から首相の座を禅譲された当時は党内の基盤が高齢のためぜい弱と言われた首相が党内で強固な支持基盤を固めたことへの自信がうかがえるようだ。
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