2006年09月25日14時28分掲載
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「勝負の時に備える」 共同通信社長、平壌支局開設の意義を強調
共同通信は1日、平壌支局を開設したが、石川聰社長は「性急に結果を求めずに、まず公正な報道で理解と信頼を深めるよう努力したい」と述べた。さらに同社長は「従って、支局を開設してもあまり記事、写真が出ないということもあるかもしれない」とした上で、「勝負のときに備える蓄積の期間であり、手綱を絞り、瞬発力を養うのが得策」と語った。(ベリタ通信)
共同通信社社報9月号によると、4日に開かれた同社の全国会議で石川社長が語った。共同通信が支局開設を認められた理由について、「今言えることは長い地道で誠実な取り組みが実ったということ」と述べた。そして、1991年の当時の酒井社長が金日成主席に単独会見した実績を挙げ、朝鮮中央通信社との協力強化など、「地味な努力が評価された」とした。
平壌支局には、共同の取材記者は常駐はせず、北京の中国総局長が支局長を兼務する。朝鮮中央通信社内の置く支局には現地スタッフが常勤する。
石川社長は「自由な取材ができないのではないか、北朝鮮当局に都合のいい記事の垂れ流しになるのではないか、と心配する声が聞こえます。われわれはそうした懸念を払拭し、信頼の置ける活動を展開する覚悟です」と語った。
石川社長は「日常の記事、写真は北京の専門記者が点検して、必要かつ間違いないと判断したものに限り出稿する」と述べた。さらに同社長は、北京の支局員の国外退去、ソウル支局の閉鎖命令という過去の例を挙げて、「共同はどんな国においても取材、報道の原則を守り、毅然と行動している」と強調した。
共同通信の平壌支局開設は、西側諸国では、米国のAP通信の子会社でロンドンに本拠を置く映像専門のAPTNが5月に支局を開いたのに次ぐもので、日本では初めてのこと。
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