2006年10月01日17時40分掲載
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米で宝くじ換金所の店員が当たり券をネコババ 53万ドルの代わりに4ドル渡す
ある日宝くじを買った客が、賞金との引き換えをした。客はくじが当たったことはわかっていたが、何等だったかは知らなかった。これがだまされるきっかけだった。応対に出た酒類販売店の店員は、4ドル(約460円)の当たりだと答えた。しかし、実際に当たったのは、53万851ドル(約6100万円)だった。客は疑いもせずに、再び4ドルを使って次回分のくじを買って引き揚げた。その後店員は自分が買ったと称して、換金しようとしたが、見破られて御用となった。最近、自ら有罪を認めたため、刑務所行きが決まった。肝心の大金は、その後本来の客のところに無事戻されている。(ベリタ通信=江田信一郎)
米メディアによると、米カリフォルニア州ロサンゼルス西方のカマリジョに住む会社経営ロバート・セヘステッドさん(40)はバレンタインデーのことし2月14日、酒類販売店で、「メガミリオン」称される宝くじを買った。14日は、自分の40回目の誕生日でもあった。
その後、本人は宝くじの自動読み取り機で、くじが当たったことを知った。しかし機械では、当たったことだけがわかり、金額は明示されないので、同じ販売店へ賞金の交換にいった。
「メガミリオン」は、カリフォルニア、マサチューセッツ、ミシガンなど12州が参加する大型宝くじ。一枚1ドルで売られている。簡単に言えば、買ったくじの番号が、当選番号と完全に一致すれば、大当たり。一部の場合は、一致した数に応じて払い戻し金額が決まるシステムだ。セヘステッドさんが当たったのは二等賞金に相当する。ちなみにそのときの一等賞金は1億2000万ドル(約138億円)だったが、該当者はいなかった。
応対に出た店員のサム・グレア(43)は、セヘステッドさんに4ドルの当たりと告げた。セヘステッドさんはなんの疑いも持たず、4ドル分のくじを買って帰った。
グレアはその後、宝くじ委員会にあたかも自分が買い、当たった形にして換金を求めた。高額賞金の場合は、窃盗などによる不正を防止するため、当選者との面接が行われる。
▼証拠となったビデオ
グレアは、委員会側の質問に対し、つじつまの合わない返事を繰り返した。決定的な証拠は、販売店に設置されているビデオカメラ。14日に、当たりくじを引き換えに来たセへステッドさんとの応対がばっちり記録されていた。
セヘステッドさんは、自分が当たったことはまったく知らなかった。しかし、その後テレビで流されたビデオを見て自分ではないかと名乗り出た。
本人確認に手間がかかったが、当選者として認定され、4月になって賞金を手渡された。当時、本人はあまり金に不自由しておらず、使い道を思案していると話している。
一方、グレアは販売店を首になった。経営者は、8年間この商売をやっているが、こうした不祥事は初めてだと嘆いている。
窃盗罪に問われたグレアは最近、自ら罪を認めた。この結果、本裁判に入らないまま、10月に量刑が宣告されることになった。禁固5年8カ月の刑になる見通しだという。
「メガミリオン」は毎週火曜と金曜の二回、抽選が行われる。当選番号はインターネットで公開されているので、自分で当選番号をチェックするのが、だまされないコツといえそうだ。
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