2006年10月04日10時55分掲載
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リー顧問相がマレーシア首相に謝罪
【クアラルンプール4日=和田等】シンガポールのリー・クアンユー顧問相がマレーシアのアブドラ・バダウィ首相に送った返書の内容が、2日に明らかになった。その内容が在マレーシア・シンガポール高等弁務官事務所を通じてメディアに公表された。
その中でリー顧問相は、「自分の発言がアブドラ首相に不愉快な思いをさせた。この点について謝罪する」と述べている。
顧問相は、問題とされた発言にはマレーシアの内政に干渉する意味合いは全くなく、また、マレーシア政局に影響を与える能力もなく、マレーシアの華人を扇動する考えも毛頭ないと強調。
一方で顧問相は、マレーシアの政治家が「シンガポールのマレー人が社会の片隅に追いやられている」「マレーシアのマレー人はシンガポールのマレー人のようにならないように注意すべき」といった発言をしてきていると指摘。
リー顧問相は、「アブドラ首相が2003年11月に就任してから、両国関係は前任者(マハティール前首相)時代の困難な10年間に比べて大きく改善された。両国関係が(今回の発言の)影響を受けるようなことがないよう望む」と述べ、アブドラ首相に不愉快な思いをさせた点に謝罪すると結んでいる。
「マレーシアとインドネシアの華人は体系的に従順にさせられている」。9月15日にシンガポールで催されたフォーラムの席でリー顧問相がこう述べたことを受け、アブドラ首相は25日に発言の真意について説明を求める書簡を送っていた。顧問相は9月28日に返書をアブドラ首相に送ったという。
一方、マレーシアの華人の中には、「インドネシアの華人ほどではないにしても、マレーシアでもブミプトラ政策などマレー人優遇政策がとられ、華人が政策的に不利な立場に置かれているのは事実」との声も根強い。なお、マレーシア(全人口2600万人)における華人の比率は26%。
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