2006年10月05日18時22分掲載
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安倍政権をどう見るか
安倍政権下でアジア関係は改善せず マレーシアの知日派が厳しい見方
【クアラルンプール5日=和田等】マレーシアの首都クアラルンプールで3日、「日本の新首相とアジア情勢」と題するセミナーが開催され、出席した同国の知日派パネラー3人らは、「安倍晋三新首相が誕生しても、日本は内政が官僚主導、外交が米国追随という政治構造から脱却できず、悪化したアジアとの関係改善はむずかしい」との認識で一致した。
セミナーは同国の華字紙・東方日報が主催し、日本に留学した後、長年、聯合早報の東京特派員を務めた経験を持つ陸培春・青森大学客員教授、同じく日本留学経験者で立峰信託基金のプア(さんずいに番)力克・最高経営責任者、国連難民高等弁務官事務所職員の唐南發氏の知日派3人がパネラーとして招かれた。タイムリー・コンサルティング・グループの首席コンサルタント、胡逸山氏が司会進行役を務めた。
セミナー後、日刊ベリタ記者の取材に対して陸氏は、「安倍首相の誕生によって日本とアジアとの関係は小泉首相時代より悪くなるとみている。核武装容認、靖国神社参拝の問題にあいまいな態度をとっていること、保守本流という位置からみて中国や韓国が警戒感を強めるのは間違いないからだ」と指摘した。
「安倍政権短命説」について、陸氏は「安倍首相の施政方針演説は抽象論ばかりで具体的ビジョンに欠け、危機管理能力に欠けているとの印象を受けた。やはり短命に終わるのではないか」との見方を示した。
またこのセミナーでは。参加者から第2次世界大戦時の日本の責任を中心に安倍首相の歴史認識を問う声が相次いだ。
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