2006年10月05日21時16分掲載
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シンポジウムのご案内「問答無用化する司法・メディア──和歌山・恵庭・仙台の3事件から」
第22回人権と報道を考えるシンポジウム「問答無用化する司法・メディア──和歌山・恵庭・仙台の3事件から」
11月11日(土)午後1時半〜4時半
会場 千駄ヶ谷区民会館
主催 人権と報道・連絡会
2005年6月28日、大阪高裁が「和歌山カレー事件」で林真須美さんの控訴を棄却、死刑判決。判決は、「犯行動機」はおろか、具体的な証拠も何一つ挙げることができなかったが、「犯行が可能なのは被告人以外に考えられない」と「消去法」で死刑を言い渡した。
同9月29日、札幌高裁が「恵庭OL殺人事件」でOさんの控訴を棄却、懲役16年判決。「殺害方法・場所も不明」としながら、弁護側の指摘した疑問をすべて「可能性はある」で退け、「犯人の可能性があるのは被告人だけ」とした(2006年9月、最高裁が上告棄却)。
2006年3月22日、仙台高裁が「北陵クリニック事件」(メディアは「筋弛緩剤事件」と報道)で守大助さんの控訴を棄却、無期懲役判決。裁判所は弁護側が求めた証拠・証人調べをすべて却下、わずか4回の「審理」で最終弁論もさせず、一審判決を追認した。
3つの事件には、いくつもの共通点がある。
(1)捜査段階で、メディアが大々的な犯人視報道を繰り広げたこと。
(2)被告人が公判で一貫して起訴事実を否認していること
(3)被告人と事件を結びつける直接証拠がなく、「状況証拠」だけで有罪を認定したこと。
(4)検察が提出した証拠について、弁護側が求めた科学的鑑定を裁判所が認めなかったり、鑑定結果を一方的に「解釈」し、有罪方向でのみ認定したこと
(5)冤罪を訴える被告人はいずれも直ちに上告したこと
これらの裁判を通して明らかになってきたは、裁判所がメディアの犯人視報道で作られた「世論」に迎合し、証拠がなくても「可能性があれば有罪」を当然として「問答無用化」していることだ。シンポジウムでは、その実態と今後の司法・メディアの行方、あり方を、3つの事件を通して考えたい。
【報告者・パネリスト】
和歌山カレー事件弁護人 安田 好弘さん
仙台・北陵クリニック事件弁護人 阿部 泰雄さん
恵庭冤罪事件支援会・東京 会員 福冨 弘美さん
(司会) 人権と報道・連絡会 浅野健一・世話人
連絡先 03・3328・7609(山際)
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