2006年10月10日20時58分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第17回:北朝鮮が核実験してなぜ悪い

 北朝鮮が核実験を行うと宣言したことで、世界が大揺れである。しかし、たった1回の核実験をこれほどまで問題にするとは、世界の核に対する意識も進歩したものだ。 
 
 1945年7月16日、アラモゴードの砂漠で米国が行った第1回核実験より地球上でなんと多くの核実験が行われてきたことか。米国は地上・地下あわせて1000回を超え、さらに旧ソ連、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン等の現在の核保有国が行った核実験をあわせると2057回! もちろん軍事機密に属することだから実際はもっと多くなるだろう。そのたびに死の灰を撒き散らすなど地球に深刻な核汚染をもたらしてきた。しかもその実験の場、南太平洋のビキニ、タヒチ、アフリカのサハラ砂漠。旧ソ連のセミパラチンスク、アラスカ、オーストラリアなどの地は無人の地ではない。そこに住む多くの人たちが被曝した。しかも放射能被曝のモルモットにされた人たちもいる。北朝鮮の核実験を止めさせようとする米国、ロシア、中国はいずれも核保有国。自国は持ってもいいが、他の国は駄目という大国のエゴみたいなものを感じずにはいられない。 
 
 北朝鮮の核実験にストップをかけようというのは結構だが、それと同時に自国の核の廃絶の意向を示してこそ説得力も出るというものである。そして北朝鮮は2058回目の核実験をやってしまった。嗚呼・・・。(橋本勝) 


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