2006年10月21日01時17分掲載  無料記事
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シンガポールの煙害被害は36億円

  【星日報20日】煙害(ヘイズ)の影響による大気汚染指数(PSI)の上昇で、シンガポール経済はすでに5000万シンガポールドル(約36億円)の損失を被った見込みだ。気象庁はヘイズは11月初まで続くと発表しており、経済的損失額はさらに増大するとみられる。ビジネス・タイムズ紙は19日、環境経済学専門の南洋工科大学のユーストン・クア準教授の話としてこのように報じた。 
 
 とくに影響の大きい産業は飲食業と観光業だ。呼吸器系の疾患にかかり診療を受ける患者も増大中だ。クア準教授は長年、煙害のシンガポール経済に及ぼす影響について記録をとってきている専門家。 
 
 史上まれにみる深刻な煙害に見舞われた1997年の経済損失額は3億ドル(約350億円)に達した。このうち観光業が2億1000万ドル(約245億円)で最も大きな損失を受けた。ほかに、医療コストが5億ドル(約580億円)に達した。東南アジア地域全体では1997年−98年の煙害で90億(約1兆440億円)ドルの損失をこうむっている。 
 
 シンガポール国立大学の専門家によると、煙害の原因となっているスマトラ島の森林火災発生地点数は10月第1週で総数5300カ所(2005年同週は300カ所)、カリマンタンは6000カ所(昨年の900カ所)だった。総合すると、2地域の火災発生点は1万1300カ所(同1200カ所)となり、約9倍以上となっている。 
 
 なお、2地域の今年9月の火災発生点は2万2500カ所で、昨年の8000カ所の3倍となっている。専門家は、煙害悪化の原因はエルニーニョ現象にあるとみている。 


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