2006年10月23日12時01分掲載  無料記事
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共謀罪強行に警戒強まる 衆補選2勝で与党強気に

 戦前の治安維持法以上の悪法といわれる共謀罪。今国会で共謀罪審議はないかも、という楽観論がふっとび、10月23日の週に強行採決もありうるという緊迫した情勢になっている。特に22日投開票の衆院神奈川16区、大阪9区両補選で与党が完勝したことで一気に強行採決という様相さえ見えてきたとして、共謀罪阻止を掲げる市民団体や日本弁護士会などは警戒を強めている。(大野和興) 
 
  盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会は10月21日発行のメールマガジン「共謀罪を廃案に!」(http://blog.mag2.com/m/log/0000207996/)で、次のように情勢分析している。 
 
◇法案審議の順番が決まらない────── 
 
  衆議院法務委員会がはじまりました。 
  18日(水)に衆議院法務委員会で法務大臣の所信表明がおこなわれ、20日(金)には所信表明に対する一般質疑がおこなわれました。この質疑は共謀罪に限らず法務委員会に提出される全法案に対するものでした。 
 
 しかし、いまだ法案審議の順番について与党から何の提案もされていません。委員会は開始されながら法案の審議の順番がきまらないという異常な事態がおきています。 
 
◇審議をすればボロが出る────── 
 
  その狙いが何か徐々に明らかになってきています。 
  政府・与党は来週(23日の週)抜き打ち的に共謀罪の審議入りを強行し、僅かな審議時間で強行採決をはかろうとしているのではないかということです。 
 
  政府・与党は、共謀罪の審議をすればするほどボロがでて、共謀罪に対する批判が高まるという問題をかかえています。こうした中で、条約の批准は共謀罪を新設しなくてもできるとの日弁連の意見書がだされました。これはただただ条約をたてに共謀罪の新設をはかろうとしてきた政府・法務省に激しい衝撃を与えました。 
 
  政府・法務省などは法務委員会で条約批准国の検討をしたならば、この間の説明がウソであったことが示され、共謀罪の成立は困難になると判断したものと思われます。野党や市民団体に反対運動のための時間を与えず抜き打ち的に審議入りを強行し採決する、これがほぼ与党の方針となったと考えてよいでしょう。 
 
◇衆院補選の結果しだいで────── 
 
  現在、政府・与党は、2つの衆議院選の補選の結果をみているといっても過言ではありません。2つの補選で勝利したならば、安倍政権に支持があったとして、共謀罪の強行採決に踏み出してくる可能性は極めて強いといえます。与党のこの間の対応からは、共謀罪の抜き打ち的審議入りのタイミングをはかっているとみるのが妥当です。 
 
  来週(23日の週)以降、法務委員会は明確に共謀罪をめぐる攻防にはいります。政府・与党の抜き打ち的審議入り・強行採決を許さないために、気を引き締め、共謀罪新設反対・廃案の運動を更に強めていきましょう。 
 
  共謀罪に反対する市民団体は、今週、衆議院法務委員会傍聴を含む以下のような行動を呼びかけている。 
 
◆10月24日(火)衆院法務委員会傍聴 
    25日(水)12時30分〜13時30分 衆議院議員面会所前集会 
   27日(金)12時30分〜13時30分 同 
   29日(日)13時30分〜     共謀罪を廃案に!講演会 
 
  また、法務委員への働きかけを一人でもできる緊急行動として呼びかけている。 
 
◆法務委員への働きかけを!───────── 
  与党は、共謀罪については、審議すればするほどボロが出るとみて、審議しないで強行採決に持ち込む可能性が非常に高まっています。 
 野党委員には「妥協することなく、廃案のためにがんばってほしい」、与党委員には「徹底審議すべきであり、強行採決はするな」など、みなさんの思いを伝えてください。 
▽衆議院法務委員会委員の名簿(メール、議員会館Fax、Tel、議員 会館部屋番号、選挙区) 
http://www.peace-forum.com/jinken/shu-houmui.htm 
 
■集会案内■ 
 10・29 共謀罪を廃案に! 講演会 
 http://tochoho.jca.apc.org/evx/event20061029.html 
(国会情勢をふまえて、講演者の講演内容が変更になることもあります) 
 
とき:10月29日(日)13:30〜17:00 
ところ:渋谷区勤労福祉会館第1洋室(渋谷区神南1-19-8) 
○JR山手線渋谷駅下車 公園通り 
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/sogo.html 
 
◇講演 
 「国連越境組織犯罪条約と共謀罪」海渡雄一さん(弁護士) 
 「サイバー犯罪条約とコンピュータ監視法案」小倉利丸さん 
  (富山大学教員) 
 「共謀罪と組織的犯罪処罰法」宮本弘典さん 
  (関東学院大学教授) 
◇アピール 
◇資料代 500円 
◇主催:共謀罪に反対するネットワーク 
◇連絡先 
 盗聴法に反対する市民連絡会(日消連 Tel.03-5155-4765) 
 ネットワーク反監視プロジェクト(小倉 Tel.070-5553-5495) 


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