2006年10月24日00時44分掲載  無料記事
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警察出身の元テレビ解説者がわいせつ行為 船上で二人の少年に

 米カリフォルニア州のロサンゼルス市警(LAPD)の巡査部長や広報官を担当した人物が、メキシコへのクルーズ客船の中で、12歳の少年2人にわいせつな行為をしたとして逮捕される事件があった。警官を退いた後は、ロサンゼルスのテレビ局のコメンテーターや、ラジオ局のホストを務め、広く名前が知られていた。取り締まる側にいた人物が、逮捕され、逆の立場に立たされた皮肉な事件として関心を集めている。(ベリタ通信=江口惇) 
 
 米メディアによると、この男性は、コロラド州在住のロッド・バーンセン被告(58)。ことし9月末に米国を出航したクルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス」の中で、事件は起きた。 
 
 同被告は船の上で、12歳の少年二人と知り合いになった。あるとき、少年二人がサウナに入っているときに、バーンセン被告は局部をみせ、少年たちにもタオルを取るよう話しかけた。このほか、体のプライベートなことを詳細に聞いた。また同被告はシャワールームまでついてきたり、少年のおしりを触ったりしたという。 
 
 少年たちは当初、親には黙っていたが、遂に母親に告白。激怒した母親がバーンセン被告に直談判し、強く抗議した。船の警備担当にも通報したが、同被告は少年たちに話しかけた事実は認めたが、不穏当な行為はしなかったと容疑を否認した。 
 
 また、自分も二人の子どもを持っているから子どもがわかっていると指摘し、子どもというものは噂を広め、人を傷つけたりするものだと主張していた。 
 
 このため警備担当が捜査当局に通報。客船がロサンゼルスに入港した10月7日、米連邦捜査局(FBI)の係官らが船に乗り込み、少年たちから事情聴取を行った。 
 
少年の一人は、バーンセン被告のそばにいるときはいつも嫌な気分だったと述べ、これは 性的な行為を受けたためだと思うと証言した。 
 
 被告は同日、少年へのわいせつな接触行為の罪でFBIの係官に逮捕された。その後起訴され、11日に保釈金85万ドル(約9800万円)で釈放された。 
 
 同被告はLAPDの時代は、売春婦の取締りなどにも参加した。退職後、地元のテレビ局「FOX11チャンネル」の犯罪取り締まりの専門解説者として、ロサンゼルス周辺で多発する警官と犯人のカーチェイスの模様を解説したり、大きな事件の背景などを説明する立場にいた。この時代にはブログも開設し、人気を集めていた。 
 
 04年にテレビ局を去ってからは、ロサンゼルスで人気のあるラジオ局KFI−AMのホストなどをこちし5月まで勤めていた。 
 
 メキシコへの客船には、バーンセン被告の妻らも乗っていた。11日の保釈手続きで法廷に出た被告は神妙な面持ちだった。同日、家族らに付き添われて拘置所を足早に後にしたが、弁護士の話によると、被告は疲れきり、訴追にショックを受けている様子だったという。 
 
 次回裁判は11月で、被告に対する罪状認否が行われる。裁判の場で無罪を主張するとみられるが、有罪になれば最高で禁固2年の刑になる。 


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