2006年10月24日02時04分掲載
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「路上の逆上」で一生を棒に振るな 車社会での教訓
車が世界中にあふれる今日、大半のドライバーが経験していると言われるのが、他の車から嫌がらせを受けたり、怒鳴られたすることだ。時には道路上で自らかっかとすることもある。英語では「ロード・レイジ」と呼ばれる現象で、「路上の逆上」と言う意味だ。米国では、怒った相手から銃で撃たれたりする事件も起きており、ネット上では「ロード・レイジ」からどう身を守るかのミニ知識も提供されている。(ベリタ通信=江田信一郎)
米南東端のフロリダ州マイアミでは、10月13日、地元のTVクルーが取材先に向かう途中、「ロード・レイジ」に遭遇し、その模様をカメラに収録した。右車線を走っていた車が、突然左車線に変更し、前を走っていた車の左側面に近づいた。
すると前にいた車が今度は、ハンドルを切り、車を左側に寄せたため、二両の車が接触寸前になった。すぐに道路上で車を止めた双方の車から運転手が出てきた。
興奮して後続の車は目に入らないようだ。一人の運転手は、上半身は裸で、相手に向かった何かを叫んでいる。中央線寄りに車を止めたもう一人の男は、野球のバットを持ち出し、大きくスイングした。距離が離れていたので、相手に対する威嚇のつもりだろうが、もし当たっていたら、大変なことになるところだった。
TVクルーは、二台の車のすぐ後ろを走っていたため、「ロード・レイジ」の瞬間をカメラに収録することができた。直ちに「911」(警察・消防)に通報し、パトカーが現場に急行したという。何が原因でトラブルが起きたのかはわかっていない。
▼護身のための10カ条
米国は車社会といわれるだけに、「ロード・レイジ」は頻繁に起きる。ウィスコンシン州ミルウォーキーでも最近、二台の車がトラブルを起こし、一方の車の連中が銃を発射、逃走した。間もなく州境付近で警察に逮捕された。車には銃弾の穴ができたが、幸いけが人はいなかった。
カナダのウィニペグでも最近、ハイティーンの二人の乗った車が、突然車線を変更。赤信号で停車したところ、後ろに止まった車から男の運転手が出てきて、17歳の少年が座っていた運転席の左窓ガラスを打ち砕いた。
このため少年は病院で目に入ったガラスの除去手術を受けた。男は身長180センチぐらいで、現場からそのまま逃げ去った。
「ロード・レイジ」から身を守るには、相手が仕掛けてきた動きや挑発に乗らないことが肝心だという。ネットの「ロードレイジャーズ」では、ドライバーに対し、「ロード・レイジ」に巻き込まれないための、10カ条を提案している。
相手に対して報復しないこと、逆上している運転手とは視線を合わさないこと、応対は常に穏やかに行う──などだ。路上の喧嘩で一生を棒に振るのかと自問することも必要だ。
また怒ったドライバーから追いかけられたした場合は、直接家に戻らず、最寄りの警察に行くことを勧めている。ドライバー自身が、逆上しないように心掛けることも大切だ。イライラせず、忍耐強く、なおかつ自分をコントロールしなければならないという。
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