2006年10月24日10時24分掲載
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愛人の遺体を切断して調理 自殺した男性が遺書残す
米南部ルイジアナ州ニューオーリンズで、28歳の男性がガールフレンドを殺害した後、遺体を切断し、体の一部を使って調理した猟奇事件が起きた。ホテルから飛び降り自殺した男は、警察に捜査の手ががりを与えるために遺書を残していた。警察は、男のアパートを捜索し、オーブンの上にあった原型をとどめない頭部などを発見した。警察では、「例のない悲惨な事件だ」と話している。(ベリタ通信=江田信一郎)
米紙タイムズ・ピカユーン(電子版)によると、自殺したのはバーテンのザッカリー・ボーエン。10月17日にニューオリンズの観光名所であるフレンチ・クォーターの一角にあるホテルから飛び降り自殺した。ズボンの中に遺書があり、ガールフレンドでバーテンのエイドリアン・アディー・ホールさん(27)の殺害を自供していた。
警察がホテルから数ブロック離れた彼のアパートを捜索したところ、オーブンやストーブの上で、頭や、手足など調理された体の一部を発見した。冷蔵庫の中にもゴミ袋に入れられた体の一部が見つかった。ボーエンは遺体を食べてはいないようだという。
ボーエンは部屋の中に、ホールさんの殺害後の状況を日記風にして残していた。この中で10月5日に殺害したことを告白している。警察によると、ボーエンは、ホールさんを絞殺した後、バスルームで遺体を手のこやナイフで切断した。
現場のアパートは二階建てで、階下がアフリカなどの呪い関係のグッズを売る店だった。アパートの経営者は、ことしのニューオーリンズ市長選に出馬したことのあるレオ・ウォーターマイヤー氏。
同氏によると、二人が別のニューオーリンズのアパートから引っ越してきたのは10月1日。しかし、同5日に二人の間で口論が起きた。理由はボーエンの浮気の現場をホールさんが目撃したためで、ホールさんは、ボーエンをアパートから追い出すと怒っていたという。
このため警察では、痴情のもつれが犯行の引き金になったとみている。しかし、遺体の損傷が激しいため、バラバラ死体が、ホールさんのものだとは公式には発表していない。
二人は知り合ったのは、2005年8月にニューオーリンズを襲った超大型ハリケーン「カトリーナ」の最中で、そのときに恋に落ちたという。二人はニューオーリンズから避難せず、現地に踏みとどまった。このため災害後でたくましく生き延びるカップルとして、マスコミに紹介され、写真も掲載されている。
ボーエンはカリフォルニア州の出身で、別れた妻との間に二人の子どもがあった。イラクやコソボ紛争に従軍した経験があるという。金髪の大柄な男性で、バーでは女性客に人気があったという。
▼日記に「自責の念」
ホールさんはペンシルベニア州の出身で、ボーエンとは別のバーで働いていた。
ボーエンはホールさんを殺害後も、バーにパートで働きに出ていた。自殺する2日前には、働いているバーに顔を出し、仲間たちにバカンス旅行に出かけると上機嫌で話していたという。
しかし、ボーエンは、残した日記に、遺体を切断しながら、何の悔恨の情も沸いてこない自分に気づき、なんと恐ろしい人間なのかと懊悩する様子を書き綴っている。
自殺当日、ホテルの監視カメラが、階上のテラスを何度も行き来し、自殺をためらっているボーエンの様子を映し出していた。
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