2006年11月13日18時20分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

第22回:「核抑止力」という言葉を死語にしよう

 「核抑止力」という異常な言葉がある。この言葉を平気で使う政治家、学者、ジャーナリストが、いまだにいることが信じられない。それは人間の殺しと破壊の文明が生み出した欺瞞的な言葉。人間の戦争の歴史、それが20世紀に作り出した究極の兵器、核兵器。その核兵器による恐怖の均衡での「核抑止力」による平和とは、なんという皮肉。たくさんの人間の命を賭けての愚劣なギャンブル。 
 
 米ソの冷戦時代、あのキューバ危機は「核抑止力」が実際に効果をあげた歴史的事例だというおバカさんよ。キューバ危機は、ほんのラッキーな偶然によって人類滅亡へといたる全面戦争にならずにすんだという、歴史の教訓であったはずなのだ。 
 
 米国の核の傘で日本の安全と平和が保たれていると本気で信じている者よ。歴史に学べず、未来への想像力なき者よ。21世紀、人類が死滅しないためには、「核抑止力」が死語とならなければならないのだ。(橋本勝) 


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