2006年11月14日18時00分掲載
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失踪中の6歳の少女は既に死亡か かぎを握る女性は急死
昨年11月に米コロラド州オーロラで6歳の少女が行方不明になった。捜索願を受け捜査に着手した警察は、3日後に捜索を中止した。理由は少女は、捜索願が出されるずっと前に殺害されていた可能性が大きいというものだった。警察は、少女の父親と、彼と同棲中の女性に疑いの目を向けたが、事件の捜査中に女性が急死したため、事件は暗礁に乗り上げた格好になっている。(ベリタ通信=江田信一郎)
米メディアによると、この少女はアーローヌ・トンプソンちゃん。2005年11月14日、家族から自宅を出たまま、戻ってこないとの通報が警察にあった。当初の情報では、少女は、お菓子のことで家族と口論となり、自宅を出たという説明だった。
コロラド州では夜間は気温が氷点下10度近くまで下がる。軽装で外出したことになっていたため、少女の安否が気遣われた。警察は捜査を勧めるうちに、少女の行方不明の理由に疑問を抱き始めた。
当時父親のアーロン・トンプソン氏は地元メディアに対し、「娘の安否が心配だ。もし誰か情報を持っていれば、警察に連絡してほしい」と語っていた。しかし、父親と、同棲中のシェリー・ロウィーさんは捜索にあまり協力的ではなかったという。
捜査当局によると、自宅にはロウィーさんの連れてきた子どもを含み8人の子どもが住んでいた。警察の話では、子どもたちは、アーローヌちゃんを1年以上も見ていないと話したという。
警察は、誘拐の線は消えたとして3日後に捜索を打ち切り、父親ら二人を重要参考人とみなして、捜査を進めた。子どもたちはその後、家を出て施設に保護されている。
殺人の疑いで捜査を始めた警察は、自宅周辺や幼稚園などから情報を集めていたが、事件のかぎを握ると思われていたっロウィーさんがまだ事情聴取を行っていない5月に心臓発作で急死した。
地元警察のダン・オーツ本部長は当時少女の身に何が起きたのか彼女は知っていたと思う」と述べ、悔しさをにじませた。
捜査当局はこれまでに全米六州にわたって450人から事情を聴取し、470点の関係証拠を集めている。ロウィーさんのおじが住むハイチの首都ポルトープランスまで米連邦捜査官(FBI)が出張し、事情を聴いている。
その中の情報で最も重要なのが、ロウィーさんの前夫エリック・ウィリアムズ氏の証言だ。それによると、ロウィーさんは、前夫に対し、少女に何かしらの危害を加えたことを認めたという。その上で、風呂の中で、少女が血を流し、呼吸が止まったと話し、その後、少女の父親と一緒に、野原に少女の遺体を埋めたと話した。
前夫はロウィーさんとの間に二人の子どもがあった。麻薬関係で服役していた前夫は、現在は仮釈放の身になっている。
検察当局は年内に父親のアーロンを連邦大陪審から起訴することを検討している。しかし、共犯と思われるロウィーさんが死亡したため、事件の立件に苦慮している。事件から1年経った今も、少女が生存しているのか否かの決定的証拠も出ていないという。
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