2006年11月27日18時09分掲載
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ハリウッド女優の破局の背後に夫の嫉妬? 妻の高収入が引き金か
妻が夫より収入や給料が高いと、男女の平等が広く行きわたっている米国でも、様々な心理的葛藤を生み出すらしい。最近、ハリウッドの人気女優リース・ウィザースプーン(30)が、同じく俳優で夫のライアン・フィリップ(32)と離婚することが報じられたが、ウィザースプーンは現在ハリウッドでは売れっ子の女優。収入面でも夫に数段の格差をつけているといわれ、米メディアは、離婚話の背景に、金、名声、嫉妬が絡んでいると、好奇心たっぷりに報じている。(ベリタ通信=江口惇)
ウィザースプーンは、子どものころから芸能界で活躍。米カリフォルニア州の名門スタンフォード大学で一時学んだが、中退している。1999年に俳優のフィリップと結婚し、二人の子どもがある。ウィザースプーンは、ファッション・デザインを専攻した金髪の女性が、ボーイフレンドを取り戻すために、同じハーバード大学ロースクール(法科大学院)に入学するストーリーの米映画「リーガリー・ブロンド」(2001年)で主役を演じ、人気を博した。映画は続編が作られる大ヒット作となり、一躍トップ女優になった。
ハリウッドで人気を得ることは大金を得ることを意味する。ウィザースプーンは富と名声を手に入れるとともに、ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞の主演女優賞を獲得するなど、演技の実力も評価されている。
二人は、離婚話が浮上するまでは、米国では、仲睦まじいゴールデン・カップルと賞賛されていた。しかし、破局が伝えられると、一部のメディアは一転、「夫より妻が稼いだことに嫉妬した」などとの憶測記事を流した。
フィリップは、ハリウッド映画に出演しているが、妻の方がはるかに有名で、また妻の方が高収入であることも公然たる事実だ。カリフォルニア大学デービス校のジェイ・メクリング教授は、「夫が妻より稼いでいたら、離婚するとしても、それほどニュースにならないはず」と話している。
米紙サクラメント・ビーによると、米国では、生活費は男性が稼ぐという考え方が依然根強いという。このためか、今回離婚話が浮上すると、メディアから、二人の収入の格差に関心が集まった。
「生活力のある女性と結婚した男たち(仮訳)」の著者ランディ・マインターさんは、男性が生活費を支えるという考え方には、妻であり、また自ら広告代理店の経営者としての立場から反論している。
「我々の多くは、男性が我々の面倒をみるものだとして育てられた。しかし、それは過去の話」と話す。事実、米労働統計局に調べでは、2003年の時点で、夫より収入の多い女性は、既婚女性の3分の1に達している。1987年に比べると、23%も増加している。
女性が金銭的な力をつけると、男性優位の力関係も変化する。家庭内では、何かを決定するのにも、男女平等となる。つまり金を出すことで、女性の発言力が増すという意味だ。しかし、女性の収入が増えることで、夫が生活費を支えるという伝統的な考えに固執する人にとっては、様々な心理的葛藤が起きるようだ。
仮に夫が失業したり、何らかの事情で収入が減った場合、嫉妬などの諸問題が噴き出す可能性もある。前述のマインターさんは、こうした危機を回避するのは、双方のコミュニケーションだと指摘している。名声や金に絡んだ嫉妬は、夫婦間に大きな亀裂を生む恐れがあり、対話によって解消するのが唯一の解決策のようだ。
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