2006年12月04日18時05分掲載
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ドバイでもクリスマスツリー
クリスマスシーズンを迎えてイスラムの戒律が厳格なアラブ諸国でも、ツリーがデパートなどに並べられるようになった。アラブ首長国連邦のドバイでは一つのショッピングイベントとして受け入れられ始めたようだ。(ドバイ=トニー高橋)
「5年前のアラブではありえない光景。これを見ると本当に年の瀬を思わせる」。イギリス人のスチュワート・ルイスさん(52)は言った。ドバイでは人口の9割弱を外国人居住者が占め、ヨーロッパからなら6時間弱のフライトで来られる位置にある。
街角を歩いてもイスラム教の風習やアラビア語を目にすることが少ない。自由貿易都市の規制緩和のためイスラム教以外の宗教行事にも干渉しない。デパートでは大々的にクリスマスに欠かせないサンタの靴下やクリスマスツリーが販売され、物珍しさから全身を黒く覆ったアバヤ姿のお母さんが子供へ靴下を買い与えている。
「たとえクリスマスグッズでも検閲のハードルは残り、『Xマス』の表現は避けて“シーズナル・グリーティング”と訂正し、サンタクロース、ツリー、トナカイを陳列する」とドバイシティーセンターのガブリエル・シャニーさん(26)は話す。
13軒の大型ショッピングモールの入口にはクリスマスセットが設けられ、各ショップもクリスマスセールで30%から50%まで値引きしている。外国人居住者の影響により、地元のアラブ人にとっては新しい文化を目の当たりにする機会が多い。
「世間は年の瀬でクリスマスムードだが、私たちには全く別世界の話。バーゲンで3割引、4割引とうたうために、妻と7人の子供たちが買い物で歓喜することしかわからない」。アブダビ在住のサイード・アル・ジャヒニさん(47)は話した。
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