2006年12月05日12時43分掲載
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米企業電子メールの監視を強化 解雇される者も増加中
米国で会社内で使っている電子メールやインターネットを勤務中に社員が私用で使うケースが目立っている。電子メールなどは、社員と顧客との間の連絡業務などを目的に、会社側が導入した一種の“財産”だ。スタッフによっては、8時間の勤務時間中、半分の時間を私用に費やしている事例もあった。こうした状況を受け、会社から解雇される職員も増えているという。(ベリタ通信=江口惇)
世は、まさに情報革命時代。会社にはパソコンが導入され、パソコンなしでは、仕事が進まない状況だ。企業に入社してくる社員もネット時代の波にたっぷり浸っており、電子メールやインターネットは彼らの情報交換やコミュニケーションの貴重な手段になっている。
しかし、会社内では、この程度なら使っても大丈夫というのは、ひょっとしたらもう間違いかもしれない。なぜなら多くの民間調査機関の調べで、社員が電子メールやインターネットを私用で使い、解雇されることが増えているからだ。
米紙デトロイト・フリー・プレスによると、オハイオ州コロンブアスにある「eポリシー研究所」の調べでは、2006年に調査を行なった416社の企業のうち、電子メールなどの不適切な私用で解雇されたものがいると回答した企業は26%に達している。
かつての記録をみると、2001年は21%の伸び、2004年は25%の伸びだった。少なくとも過去5年間で確実に解雇される社員が増えていることが浮き彫りになっている。
▼監視強化進む
企業は近年、電子メールの監視を強化し、しかも少し問題がありそうなウェブサイトをブロックしており、電子メールの不適切使用が発覚する事態になっている。
シラキュース大学のクリスティン・バイロン助教授は、「人々は、電子メールは私的に使っても、会社側はあえて監視しないと思い込んでいる節がある。しかし、実際には監視している」と指摘する。
会社が監視を強化するのは、電子メールやインターネットがビジネスに十分貢献してくれなければ困る、というものだ。
人によってよっては、会社内のパソコンで、電子メールやインターネットを使う際は、「ビジネス・オンリー」という原則を守っている。一部の企業では、電子メールやインターネットを使う場合には、会社のルールが導入されている。
ことし9月に人材管理協会が行なった調査では、会社で人事を担当している責任者442人中、58%が企業は、社員の電子メールの監視を強化していると答えている。
個人的なやりとりもあれば目立つのはポルノサイトへのアクセスが多いことだ。電子メールを削除しても、コンピューターの大元には残っており、将来会社側から訴えられた場合、証拠として提出される可能性もある。
ミシガン州の「イノベイティブ・テクノロジー・グループ・サービス」の最高経営責任者(CEO)は、社員の電子メールやインターネット監視は、今や企業内での「トレンド」になっていると話す。
「我々が最初に電子メールやインターネットの監視を始めた際、会社側には監視を求める企業は少なかった。しかし、会社側は、これが今や、問題になっていることを気づいている」と指摘している。
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