2006年12月14日02時03分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200612140203594
娘が“誘拐”試みた両親を批判 過激な結婚阻止の企て
米ユタ州ソルトレークシティーで、娘の結婚に反対した両親が、こともあろうに結婚式の前日に娘を拉致し、結婚を妨害した。両親はその後、誘拐の罪などで起訴された。有罪になれば、最高で15年の禁固刑になる。弁護士の話では、将来的に検察側との司法取引に応じ、本裁判になる前に決着を図りたい考えだ。しかし、娘は、最近の司法手続きの中で、拉致されたときに、手荒い扱いを受け、恐怖心を感じたと両親の行過ぎた行動を厳しく批判している。(ベリタ通信=江田信一郎)
娘はジュリアナ・マイヤーズさん(21)。両親はレムエル・リード(59)と妻ジュリア(57)。事件が起きたのは今年8月4日。ユタ州にあるジュリアナさんのコンドミニアムに、両親が訪れ、買い物に誘われた。結婚式のために両親が何かを買ってくれるものだと思った。
3人はバンで出発。しかし、バンは買い物には行かず、そのままドライブを続けた。途中、両親は、自分たちが式に出席しなくても、式を挙げるのかと質問した。ジュリアナさんは、間もなく、両親が自宅のコンドミニアムに戻らない考えであることに気づいた。
バンは休憩のため一時ストップ。母親は、ジュリアナさんの手をつかみ、トイレで連れ添った。トイレから出てきたジュリアナさんが、バンには戻らないというと、夫妻は、ジュリアナさんの髪を引っ張り、バンに無理やり押し込もうとした。もみ合いの際、婚約の腕輪を母親が取ってしまったという。
最終的にジュリアナさんはバンに戻ったが、応じなければ、何をされるかわからないとの恐怖感を感じ、バンに戻ったという。
夜は隣のコロラド州のモーテルに泊まった。コレクトコールで電話を婚約者にかけようとしたが、だめだった。一睡もできなかったという。
翌朝目を覚まし、ホテルで朝食を取った。壁にかかったカレンダーの日付は8月5日になっていた。結婚式の日取りだった。ジュリアナさんは泣き出した。
その後、婚約者に連絡を取らないと約束したため、3人はジュリアナさんの自宅であるコンドミニアムに戻ったという。フロリダに行く飛行機の切符を渡されたという。
両親は、男性が婚約指輪としてダイヤモンドを贈っていなかったのを不満に思っていたという。監禁中に、男性は、悪魔であり、悪意に満ちた人間であり、暴力を振るうなどといって結婚に反対したという。
この間、婚約者も結婚式前日の晩餐会にジュリアナさんが姿をみせなかったことで、捜索願いを出していた。
ジュリアナさんがコンドミニアムに戻った時、部屋で婚約者が待っていたという。二人は、4日遅れて9日に結婚した。来年5月には出産の予定という。
12月始めの予審手続きで、両親は罪を認めなかったため、誘拐罪の裁判が始まる見通し。弁護士は、ジュリアナさんがバンで乗り組む際、無理やり車内に押し込まれたことはなかったとして、誘拐罪の成立を否定している。裁判で有罪になれば、最高で15年の禁固刑になるため、検察側と今後司法取引で決着を図りたい考えだ。
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。