2006年12月14日02時11分掲載  無料記事
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海外投資家が注目する北海道ニセコのパウダー・スノー 課題は雪質に釣り合う宿と食事

 経済紙ジ・オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューはこのほど、旅行面のスキー特集で、オーストラリア資本をはじめ海外からの投資が相次いでいる北海道のニセコを紹介。パウダー・スノーの雪質が注目されている同地だが、課題は雪質に釣り合う宿泊施設と食事だが、問題解決にそんなに時間はかからないだろうと伝えた。(アデレード=木村哲郎ティーグ) 
 
 急成長しているニセコのスキー・リゾートは、日本最北の北海道の中心都市・札幌から車で2時間の距離にある。リゾートの複合施設からは、6人乗りのゴンドラで海抜2660メートルまで一気に登れる。ただ、さらに高い所にあるスロープへのアクセスは、淡水カメのようにゆっくりと動く原始的な一人乗りの木造リフトに乗る必要がある。たった5分間の一人旅だが、体をすり寄せる相手もいなく、シベリヤと日本海からの凍えるような突風を浴びながらの孤独感で、時間的には長く感じる。 
 
 ただこの一人乗りリフトは例外で、ニセコではスキー客に好まれる移動方法であるゴンドラが導入されている。チェアー・リフトも残されているが、大半の客はモダンな4人乗りのゴンドラを利用する。スピードも早く、防風ガラスのフードが寒さをガードしてくれる。 
 
 また山ろく周辺地区では宿泊施設の開発が進んでおり、今年のスキー・シーズンのために、50戸が新設中。クレーンの音が響き、セメント・トラックが走り回る中、古くからのペンションが建て壊されており、当地の不動産価格は急上昇している。 
 
 ニセコで投資信託会社を経営するオーストラリア人社長によると、ニセコの雪は国際クラスだが、宿泊や食事の施設に関しては改善が必要とのこと。そのため、ふもと周辺の開発は、宿の数を増やすうえで有意義な動きになる。昨年7月からの工事は今月中に終了予定で、来年1月からは宿泊できるそうだ。 
 
 2年前にニセコに投資したオーストラリア人投資家によると「オーストラリアの半額ということでライフスタイルのための資産として購入した。でも、この2年間で価格が倍になった」と話す。また、上記の投資信託会社の社長も「オーストラリアをはじめとする海外資本から投資が続き、アジアからも注目を浴びている」と言う。またパウダー・スノーの雪質に加え、日本のスキー場では珍しい多様な地形も当地が注目を浴びる理由だ。「日本の他のスキー場では客の数が減っているが、ニセコにはまだまだスキー客が集まっている」という。 
 
 国際的な注目が急激に高まるニセコでは、食料品や日用品の店が不足している。だが、街にとっての良いニュースは、東山の表通りの裏に作られているショッピングセンターだ。完成後には多くのショップや大型のスーパーマーケットが入居予定。着々と進むリゾート開発により、「宿と食事が雪質に釣り合うまでに、そう長い時間はかからないはず」と記事は結んでいる。 


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