2007年01月09日13時05分掲載
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スーツケース大量盗難は窃盗団の犯行か 国際空港で旅行客が被害
年の瀬の2006年12月末、米テキサス州ヒューストンのジョージ・ブッシュ・インターコンチネタル国際空港から大量の旅行用スーツケースが盗まれるという事件が起きた。68個のスーツケースは、同じ日に空港から少し離れたヒューストンのペット・ショップの前に置かれていた金属製の大型ごみ収集箱の中に捨てられていた。今のところ、窃盗団が犯行を実行したとみられているが、犯行の手口などはなぞのままだ。(ベリタ通信=江口惇)
米メディアによると、12月26日午前10時ごろ、ペット・ショップのスタッフが、店の前の置かれている大型ごみ収集箱「ダンプスター」にごみを捨てようとしたところ、収集箱が満杯になっていることに気づいた。
中を見ると、大量の旅行用のスーツケースが捨てられていた。こじ開けられたスーツケースや、衣類や貴重品などが入ったままのスーツケースもあった。スーツケースには、フランスや、アラブ首長国連邦(UAE)などの国際便のものと推定される身元照会用の旅行タグ(札)がついていた。
ペット・ショップは空港から約1・6キロしか離れていない。同ショップは、最近火災が起き、多くの廃材が出ていた。
米国では、ごみ収集車が、一週間に定期的にごみの回収にくる。しかし、コンクリート廃材や、大きな家具類など、通常のごみ収集車で回収できないものは、ごみ収集会社に特別料金を払い、金属製の大型で6トンは積める「ダンプスター」と呼ばれるコンテナを借りるのが一般的だ。盗難にあった68のスーツケースは、この中に捨てられていた。
スーツケースは9つの航空会社に属していた。そのうちの一つ、コンチネンタル航空が盗難荷物をすべて回収した。現在、持ち主の特定と、返還の手続きを進めている。
旅行客は飛行機から降りると、荷物の受け取り場所に行く。回転式のコンベアに乗って現れるスーツケースの中から、自分の物をピックアップするのが普通だ。
空港によってはそばにスーツケースについているタグの番号と、旅行客が持つ半券の番号を照会し、確認作業を行なう場合もある。しかし、人件費がかさむため、米国の多くの空港では、このチェックは行なわれていない。
空港には通常監視カメラが設置されているが、警察は情報を明らかにしていない。機内から降ろされた荷物が、回転式のコンベアに乗せられる前に、盗まれたとすれば、内部犯行の可能性もあるが、はっきりしていない。
テキサス州ダラスでは以前、窃盗団が空港のターミナルから荷物を盗み、中身やスーツケースを売った事件があった。このため旅行関係の専門家は、窃盗団が、年の瀬で、空港係員が手薄になったのを見透かし、犯行に及んだとみている。
特にターミナルの回転式コンベアには、持ち主がなかなか現れない荷物が、コンベアの上で何度も回っていることがあり、窃盗団にとっては盗むのは容易だとだれる。
コンチネタル航空は、荷物が、空港に旅行客と一緒に着かないことはあるが、大半が数日後に返還されていると指摘。また荷物が盗まれるケースは、極めて少ないと話している。
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