2007年01月10日11時13分掲載  無料記事
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若者が使うサイトに警察が注目 犯罪情報の“宝庫”か

 若者たちの情報交換の場にもなっているインターネットだが、米フロリダ州の警察では、ソーシャルネットワーキングのサイトなどで、犯罪につながる情報を見つけ、犯人摘発に効果を上げているという。こうしたサイトにアクセスする者たちは、意外とプライバシーの秘匿に無関心なため、常時サイトをサーフィンしている犯罪捜査官の目に留まり、御用となるケースが多い。(ベリタ通信=江口惇) 
 
 米紙マイアミ・ヘラルド(電子版)によると、フロリダ州犯罪取締局のコンピューター犯罪部は、1998年に設置された。当初は、子どもを狙う性犯罪者や、児童ポルノの摘発などが狙いだったが、近年は、ソーシャルネットワーキングの爆発的な人気で、殺人計画、麻薬、グラフィティー(いたずら書き)、窃盗などの広範な情報収集も可能になった。 
 
 ソーシャルネットワーキングとしては世界最大の「MySpace.com」は現在、1億4400万人の会員数があるとされる。また「Facebook.com」も1300万人の登録使用者がいるという。こうしたサイトにアクセスする若者たちは、知られていない情報を自慢げに漏らしたりする傾向があるとされる。これは警察にとっては、重要な犯罪捜査の手がかりになるだけに、モニターを強化しているのが現状だ。 
 
▼高校銃乱射事件の再発防ぐ 
 
 情報の入手によって、犯人が摘発されたり、事件発生を未然に防いだケースも実際に起きている。過去数カ月間の実績をみても、米コロラド州で起きたコロンバイン高校銃乱射事件をまねて、同じような事件を起こそうとしていた中学生2人が捕まっている。 
 
 学校の級友たちが校長に事前に知らせたため、警察が、若者たちが使うサイトを検索した。その結果、2人の中学生は学校を退学になった者で、サイトに自分たちを「狼」と呼び、70人の生徒の殺害リストを掲載していた。 
 
 また17歳の少年は、「MySpace.com」で自分がマリファナを吸引したことを自慢していた。警察はサイト上で少年にアクセスし、マリファナを購入したいと持ちかけて、おとり捜査で逮捕した。 
 
 同じように19歳の若者が、自分が窃盗を働いたことをサイトで告白したため、逮捕された。警察はこのほか、未成年の飲酒パーティーの情報も探っている。 
 
▼際立つ児童への性犯罪 
 
 一方、警察当局によると、オンライン犯罪で伸び率が際立っているのは、依然子どもを狙う性犯罪者と児童ポルノ犯罪だ。インターネットには毎日、2700万人の子どもがアクセスするといわれ、特にソーシャルネットワーキングのサイトは、そうした犯罪者が狙う場所だという。 
 
 また若者の中には少女とセックスしている姿を携帯電話で写真に撮り、それをネット上に掲載しているものもいる。少女たちの中には、自分のヌード写真を掲載している例もあるが、これらの行為は警察の目からすれば、児童ポルノの頒布になるが、若者たちは自分たちが、児童ポルノを掲載していることを気づいていないともいわれる。 
 
 警察では、中学生や高校生が、自分の詳細な情報をネット上に掲載するのは、危険だと指摘、家庭の親たちが、子どものアクセスしているサイトなどを調べるのも必要だとしている。 


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