2007年01月21日16時52分掲載
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農村から都市への人口流入問題に先手を ベトナム訪問のリ顧問相が提言
【星日報特約20日】ベトナムを訪問したシンガポールのリー・クアンユー顧問相は17日にグエン・ミン・チェット国家主席と会談、中国が頭を抱えている農村部からの都市部への人口流入問題がいずれベトナムでも大きな社会問題になることが予想され、政府は早期に対策を立てるべきだとアドバイスした。
シンガポールの建国の父で、その豊富な経験からアジアのご意見番的な存在になっているリー顧問相は、以下のように語った。
「シンガポールの経験から、今後20〜30年、ベトナムにとって最大の問題は農村部からの都市部への大量の人口流入だ。都市部のいたる所にスラム街ができれば社会的、政治的不安を引き起こすことが必定だ」。
「政府は先手を打ち、流入人口の主要な受け入れ場所を指定し、生活インフラの整備を早めに行うことが大事である。放置すれば、都市部に住居を持つ人間らしい生活をできる住民とそうではない住所不定のグループが出現し、さまざまな問題が出てくる。人口の大量流入問題の解決は長期の努力を強いられる。中国の経験を参考にして、ベトナムは専門部署を設け、具体的な対策を早期に打ち出すべきだ」。
「ベトナムは成長と秩序のバランスをとっていくことが重要になる。国民を大都市に移り住むように計画的なキャンペーンをの展開する必要がある。それは都市住民が敬遠する仕事労働力が大量に必要になるからだ。流入人口のための住居の確保を優先しなければならない」。
グエン・ミン・チェット国家主席はこれに対して、「ベトナム政府は人口流入問題を重視ている。日本に援助を仰ぎ、シンガポールから学んでいる」と語った。
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