2007年02月06日08時41分掲載
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不倫のもつれで警官の妻が凶行 地元警察にショック走る
米コロラド州で、愛人関係のもつれが悲劇的な殺人事件に発展した。不倫をしていた女性が、相手の男性の妻を殺害してしまったからだ。被害者の夫は警官。愛人関係の清算話が進行中に起きた事件だが、地元警察ではショックを受けている。(ベリタ通信=江口惇)
米メディアによると、ことし1月23日夜、米コロラド州グリリーで、銀行の勤めを終え、駐車場に向かっていたヘザー・ギャラウスさん(37)が、待ち伏せしていた女性に銃で撃たれ、死亡した。犯人は、ショーナ・ネルソン(35)。
殺されたヘザーさんの夫は、警官のイグナシオさん。ネルソンは、このイグナシオさんと3年前から愛人関係にあった。ネルソンは、イグナシオさんと職場が同じで、警察では車の配車担当の仕事をしていた。つまり職場の不倫ということだ。
ネルソンの夫も警官だった。しかし、職場は異なる。不倫の話は、彼の耳にも入り、2005年5月には離婚を正式に申し立てている。このころ、ネルソンは、イグナシオさんの子どもを身ごもっていた。
ネルソンは夫に妊娠を打ち明ける。二人の間には、既に子ども二人がいた。夫は妊娠の話を聞くと、自分の子どもとして育てるとし、間もなく離婚申し立てを撤回した。2006年春に赤ん坊が誕生した。
職場では不倫の話は知られていた。しかし、イグナシオさんの妻ヘザーさんは気がついていなかった。事件の3週間前、ヘザーさんはイグナシオさんとネルソンが密会しているのを目撃した。
ヘザーさんが夫を問い詰めると、不倫関係を認め、赤ん坊も自分の子どもだと打ち明け、すべてが公になった。イグナシオさんも今度ばかりは、関係を絶つ決心をした。しかし、その後、二人の妻の間で関係が険悪化したという。
ネルソンは、ヘザーさんが勤める銀行に口座を開いていた。銀行に赤ん坊を連れて現れ、この子はヘザーさんの夫の子どもだと話すなど、異常な行動を取った。ネルソンは抗うつ剤を服用していたが、最近は止めていたという。
そして23日を迎える。ネルソンはマスクをして、ヘザーさんが銀行から出てくるのを待ち伏せし、銃で射殺した。ヘザーさんには9歳の娘があった。
地元警察は、警官同士の妻が絡んだ殺人事件に衝撃を受けている。マスコミの取材にも口を閉ざしている。ネルソンがなぜ凶行に及んだのか、その動機はわかっていない。
一方、米連邦司法統計局によると、米国では女性同士の殺人事件は極めて珍しい。また女性同士はトラブルは、口論で終わることが多く、暴力を行使することは少ない。殺人の場合にも、銃を使用するのは少なく、毒薬を用いるのが多いという。
同統計局の2006年の報告では、1976年から2002年にかけて起きた殺人事件のうち、女性同士によるものは、全体の2・4%に過ぎない。コロラド州でも2005年に166件の殺人事件があったが、女性同士の殺人事件は1・2%だった。
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