2007年02月14日02時47分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200702140247333

イスラム聖職者エジプトで釈放 CIAに拉致され4年拘束 

 地元メディアによると、アブ・オマールの名で知られるエジプト人でイスラム聖職者のハッサン・ムスタファ・オサマ・ナセル氏が12日、エジプト国家保安情報局(SSI)から釈放された。(カイロ12日=吉田智賀子) 
 
 米中央情報局(CIA)は、2003年に亡命していたイタリアのミラノ市内のモスクから帰宅中のアブ・オマール氏をテロリストの疑いがあるとして身柄を拘束。米国はその後、「特例拘置引き渡し協定」に基づき同氏をドイツへ移送した。 
 
 アブ・オマール氏は約半年前から本国のエジプトへ身柄を引き渡され、SSIにより拘束されていた。尋問を受けていたカイロ南部のトーラ刑務所で、同氏は電気ショックや暴行などの拷問を受け、「自殺も考えた」と訴えている。 
 
 同氏の弁護士ムンタセール・アル・ザヤット氏は、エジプト政府を暴行罪などで告訴したと述べた。また、当時のイタリア首相シルヴィオ・ベルルスコーニ氏を米CIAにアブ・オマール氏の拉致を容認したとして訴訟を検討中という。 
 
 アブ・オマール氏は1980年代にイタリアへ亡命し、それ以来イタリア政府の庇護を受けていた。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。