2007年02月16日15時05分掲載  無料記事
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ヌードダンサーが寄付に一肌脱ぐ がん撲滅と難病支援で

  英語で「エキゾッチク・ダンサー」と呼ばれるのは、紳士用のクラブなどでヌードダンスを披露する女性たちのこと。酔客を前に、夜の世界で活躍する彼女たちは、社会から幾分偏見の目で見られがちだ。まして彼女たちがニュースの主人公になることはまれだ。ところが彼女たちが最近、相次いでカナダのメディアに取り上げられた。話は、ダンサーたちの行なおうとしている寄付行為に関するものだ。(ベリタ通信=江田信一郎) 
 
 一つは、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのヌードダンサーたちが、「カナダ乳がん協会」に寄付を申し入れたところ、拒否されたという話だ。カナダからの報道では、「がん撲滅のエキゾッチク・ダンサー」と名乗る組織は昨年、募金集めのチャリティーを開催し、6000ドルを「カナダ乳がん協会」に寄付した。 
 
 このチャリティーは、がんで死亡したヌードダンサーを偲んで「がん撲滅のエキゾッチク・ダンサー」が行なっている恒例の行事。「カナダ乳がん協会」は、昨年は問題なく受け取っていたが、ことしは代表で元ダンサーのトリナ・リケッツさんに電子メールを送り、断りの内容を送ってきた。 
 
 理由は、「カナダ乳がん協会」への大口寄付者が、ヌードダンサーたちの寄付に難色を示したためだ。ことしのチャリティーは3月に、バンクーバーのホテルで行なわれるが、「がん撲滅のエキゾッチク・ダンサー」では、協会側の姿勢に失望の色を隠せないでいた。このままでは、チャリティーを開催しても、寄付金の行方が定まらないからだ。 
 
 ところが、このニュースが報道されると、いくつかの団体から寄付を受け付けたいとの申し入れが、電子メールでリケッツさんに寄せられた。リケッツさんは、どのような形で、諸団体に寄付するかを今後決めると話している。3月のチャリティーの具体的な内容は不明。 
 
 一方、アルバータ州エドモントンでは、難病に苦しんでいる子どもの治療費を援助しようと、ヌードダンサーが立ち上がった。発案者は、24歳のダンサー、ライリーさん(仮名)。 
 
 難病の先天性代謝疾患である「ハンター症候群」に苦しむ3人の兄弟の子どものことを新聞記事で知ったのがきっかけだ。新聞で子どもの写真を見たとき、泣いてしまったとライリーさんは語っている。ショー・ガールを束ねている責任者に支援の話をしたところ、賛同を得た。 
 
 3人の子どもは、それぞれ7歳、4歳、2歳。治療には、不足している酵素を補う薬品が使われているが、カナダ政府はまだこれを認可しておらず、政府の支援は出ない。このため3人の治療費は年間で100万ドルかかる。ライリーさんは、これを支援しようと、アルバータ州のヌードダンサーの協力を呼びかけた。 
 
 呼びかけに州内のダンサー30〜50人が応じた。方法は、ダンサーが得た収入とチップを寄付しようというもの。3月にエドモントンで、その後、グランドプレーリーのクラブで、チャリティー・ヌードを行う。2万ドル以上を目標額にしている。 


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