2007年02月18日12時57分掲載
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運転中の携帯使用で米10代に事故多発
米国のティーンエージャーが運転中に、携帯電話などの話に気を取られ、事故を起こし、死亡したり負傷するケースが増えている。運転中の携帯電話の使用については、大人でも同じことが指摘されているが、ティーンエージャーの場合は、特にその比率が高いのが特徴だ。テキスト・メッセージの送受信に夢中になって事故を起こす事例も報告されており、各州で対策を急いでいる。(ベリタ通信=江口惇)
米バージニア州では2005年7月、ティーンエージャーの女性二人を乗せた車が、トラックに衝突し、一人が死亡、もう一人が重傷を負った。原因は、運転していた女性が、携帯電話に気を取られたため。
負傷したのは、友人のメリッサ・スターネスさんで、頭に大けがをした。「友人は携帯電話を取り、話し始めたが、それからトラックにぶつかってしまった」。スターネスさんは自分が助かったのはまったくの幸運と考えている。現在、車の免許証を持っているが、運転中に事故のことが蘇ることがあるという。
同州では、18歳以下のティーンエージャーが車を運転する場合は、携帯電話の使用を禁止する州法を制定する動きをみせている。スターネスさんもこの法案に賛成している。「わたしは車を運転しているときには、携帯電話は取らないし、運転中に携帯で話す人の車には乗らない」
アラバマ州でも運転中のティーンエージャーから携帯を取り上げる法律を検討している。同州のプライスビル高校で運転技術を教えているフィリップ・バンクスさんは、携帯電話は運転手の気をそらすものだとし、大人も含めて運転中は禁止すべきだと話す。
同校2年のクリスティ・ハチソンさんは「父親と約束している。(運転中は)携帯電話は使用しない」と述べ、法律ができても特に支障はないと言い切る。
▼米でも禁止の動き広がる
ジョージア州で運転免許を取得する準備をしている16歳のザニタ・シモンズさんは「われわれは先進技術の時代にいるが、携帯電話は、気を散らすものだ」と指摘する。「もし携帯を(車の中で)落として、それを拾おうとしたら、事故を起こし、死ぬかもしれない」とシモンズさん。
米国のティーンエージャーが交通事故に遭う原因のトップは、飲酒やスピードの出しすぎではなく、「注意散漫」になっている。携帯電話のほか、同じ世代のティーンエージャーが同乗したすると、会話などに夢中になり、わき見運転が起きやすくなっている。
最新の調査では、ティーンエージャーの9割が、同世代の若者が携帯電話で話しながら運転しているのを目撃しているという。運転中の携帯電話の使用は、大人でも同じで、別の統計では、1200人のドライバー中、73%が運転中に携帯で話したと答えている。
現在、運転中の携帯電話を全面的に禁止しているのは、コネチカット、ニューヨーク、ニュージャージー各州のほか、首都ワシントン。カリフォルニア州でも08年7月から禁止になる。ただし手を使わない形で通話ができる電話の場合はOKになっている。
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