2007年02月21日16時46分掲載  無料記事
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中国商人が中東、アフリカ地域に大量進出 アジア経済危機を機に

アラブ首長国連邦ドバイ郊外の砂漠のど真ん中にドラゴンマートと呼ばれる中東最大の中国卸市場がある。店舗数4000軒、中国語だけが飛び交い、入り口から出口までの距離は約2キロ強。上空から見ると竜がくねっている姿のいかにも中国風のショッピングモールだ。中国人商人の中東、アフリカ地域への大量進出は1997年のアジア経済危機発生が促したという。(ドバイ=トニー高橋) 
 
 1997年発生のアジアの経済危機を契機に中国人商人は東南アジアから中東、アフリカにまで手を伸ばし始めた。しかし、新天地へのチャレンジ精神に対し、イスラム教、部族主義、アラブ商法というハードルが立ちふさがっていた。 
 
 新規市場開拓に向けてのトライアル&エラーを繰り返し、壁を乗り越えて商いはようやく軌道に乗り始めてきた。現在15万人規模の中国商人がドバイを拠点に中東やアフリカ地域との往来始めている。 
 
 「中国製品は粗悪と思っていたが意外にしっかりした品物が揃い、納得いく値段で売られている」。オマーンの照明取引商のハイダー・ジュマー・ビン・ハムダンさん(46)はこう印象を語った。ダウ船貿易の影響でインドやパキスタン製の品物が主流の湾岸諸国では消費財に関しては粗悪な品物が目に入りやすい。 
 
 「メードインジャパンの品物には追いつかないが、それでもメードインチャイナで納得して購入する消費者の数はメードインジャパンを求めるそれの2倍から3倍もここにいる。我々の商い相手はアフリカや中東の現金で決済できる消費者や商人だ」。ドラゴンマートの家電卸商・張明敬さん(38)はこう言った。 
 
 価格の把握や決済の条件に関してわざわざ中国に行かなくてもドバイで出来るメリットは大きい。しかし、中国商人たちはそれだけでは満足していない、潜在している野心がくすぶっているからだ。 
 
 「アフリカや中東の商人をパートナーとして、今度は我々が現地へ乗り込み市場改革をする。それが第二ステージだ。ここはあくまでも商品陳列の場だ。それは現地のツテなくして自社ブランドを広げることは出来ないからだ」と張さんは付け足した。 
 
 現地パートナーと付き合い始めている関係は徐々に目に見えてきた。在中東やアフリカの中国大使館には中国商人からの招聘状を持参したアフリカや中近東国籍のビザ申請者が増え始め、中国での工場見学やブランド把握などを体験して、現地に戻りパートナー契約をして中国商人を迎える。 
 
 「2月はナイジェリア、3月はザンビア、4月はリビアとパートナーと契約する。そのために本社と現地を何度も往復している。のんびりショップで煙草をふかしながら椅子に座っている日はしばらく来ない」と彼らは話している。 


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