2007年02月27日12時02分掲載  無料記事
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フォアグラ販売のレストランを条例違反で摘発 仏料理店は反発 米シカゴ

 世界的な珍味といわれるフォアグラ。しかし、ガチョウや鴨に必要以上に餌を与え、肝臓を肥大化させて作るために、動物愛護団体から動物虐待だとの声が根強く上がっている。こうした声を受け入れて米イリノイ州シカゴ市では昨年、レストランや小売店がフォアグラの販売を禁止する条例を制定した。この条例を無視してフォアグラ入りのホットドッグをメニューに入れて販売しようとしたレストランの店主が最近、市当局から販売当日に摘発を受けた。(ベリタ通信=江田信一郎) 
 
 シカゴ市議会は2006年4月、レストランや小売店がフォアグラを販売することを禁止する条例を可決した。フランス料理店などのオーナーからは、「行政が、人々が何を食べるかの指図をすべきではない」と批判の声が上がった。 
 
 米メディアによると、当時、シカゴ市のリチャード・サレイ市長は、条例化に反対し、「ギャングや麻薬で子どもたちが殺されているときに、フォアグラの規制が優先されるべきなのか」と反発した。しかし、条例は同年8月施行された。フォアグラの禁止条例が実施されたのは自治体ではシカゴが初めてという。カリフォルニア州では2012年からフォアグラの生産・販売を禁止する予定。 
 
 しかし、条例施行後も、レストランなどでは、フォアグラを客に“おまけ”として提供し、条例の盲点をつく形で抵抗を続けてきた。 
 
 今回、フォアグラ入りのソーセージを売ろうとしたのは、シカゴのレストランのオーナー、ドッグ・ソンさん。市当局は以前、立ち入り検査でこのレストランからフォアグラを発見している。 
 
 レストランのメニューには入っておらず、販売している形にはなっていないが、当局から警告文書を送られている。市当局では、「レストラン側は販売のためではないと主張した。しかし、人が食するものであることには変わりはない」と語っていた。 
 
▼市当局に挑戦状 
 
 ソンさんは、市のフォアグラ禁止条例の反対派の一人で、2月16日午前6時に、フォアグラ入りのソーセージの販売を、レストランのホームページで前打ちし、市当局に挑戦状を突きつけた。値段は6ドル50セント。 
 
 レストランの開店は10時半だったが、開店に前に市衛生局の担当者が現れ、フォアグラをメニューから外すよう命じた。レストランにあった肉類も封印された。昨年8月に条例施行以来、摘発されたのは今回が初めて。 
 
 封印された肉類の処分は、市当局からの通知を待って処分することになりそうだ。ソンさんは、条例に違反した疑いで3月に当局に出頭するよう命じられた。250ドルから500ドルの罰金を受けることになる見通し。 
 
 ソンさんは、市当局がホームページでの販売予告から間髪を入れずにレストランを訪れたことに驚いた様子。誰かが、市当局に通報した可能性が高いが、ソンさんは、店の常連客ではないだろうと語った。 
 
 レストランは、ソンさんがフランスに休暇旅行に出かけたまま、現在は閉店中。3月5日に再開するが、フォアグラを再び販売するかどうかはわかっていない。 


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